2月の開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

224日、虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウムで開催された160回目のHills Breakfastは、森ビルのオフィスに勤務するワーカー対象のイベント「WORKERS’ NIGHT」とのスペシャルなコラボ回。いつもとは違い、19時からのスタートとなりました。登壇者は虎ノ門を「つくる」、虎ノ門で「働く」をキーワードに集まった5名。それぞれの個性豊かなプレゼンに参加者たちは熱心に耳を傾けていました。

■井上瑞希(Mizuki Inoue)/森ビル㈱ タウンマネジメント事業部運営企画部 虎ノ門ヒルズ運営グループ 課長

森ビル井上さんprofile
東京生まれ。2005年、わくわくする街づくりに憧れ森ビル(株)へ入社。2019年よりタウンマネジメント事業部にて六本木ヒルズのイベント運営や麻布台ヒルズ・虎ノ門ヒルズステーションタワーの開業準備に携わる。2024年虎ノ門ヒルズ運営グループへ異動し2025年から現職。

虎ノ門を「通り過ぎるだけの街」にしたくない

1人目は虎ノ門を「つくる人」代表の井上瑞稀さん。虎ノ門ヒルズを手掛ける森ビルに勤務し、現在は虎ノ門をより良い街にして「虎ノ門ヒルズを好きになってほしい」との思いを抱きながら、さまざまな仕掛けを企画・運営する部署で活躍しています。「虎ノ門ヒルズとは、主要4棟の高層ビルが一体になった街で、オフィスワーカーが3万人も勤めています」と井上さんはあらためて説明します。

「グローバルビジネスセンター」というコンセプトが掲げられているため、当初はビジネス関連のイベントを開催していましたが、よく街を観察してみると、「110万人もの人が行き交う街なのに、誰もが足早に歩いていく。通過するだけの街になっているのでは?」との課題を見つけたといいます。そこで、「働く人がこの街で働けてうれしいと思えるような、街との接点をつくろう」と、井上さんは自身のミッションを再定義したのです。

人とヒルズをつなぐ種をまき、花を咲かせる

そうして開催したイベントの1つが、森ビルのオフィスに勤務するワーカー対象のイベント「WORKERS’ NIGHT」。働く場所が遊び場になることを知ってもらうため、虎ノ門ヒルズのさまざまな施設を体感できる体験型のイベントです。また、虎ノ門ヒルズステーションタワーの最高層にある情報発展拠点「TOKYO NODE」で『デザインあ展』が開催された際には、街の中にもコンテンツを配置し、老若男女が足を止めて憩う時間を提供しました。

その他、これまでにないさまざまなアイデアで虎ノ門ヒルズの魅力を伝え続けている井上さん。「人とヒルズの接点をつくる種まきをしているところです。1つ1つ丁寧に育てていきたい」と話します。目指すのは、虎ノ門ヒルズのファンを増やすこと。今後どんなユニークなイベントや体験がこの場所から生まれるのか、楽しみです。

 

■朴正義(Masayoshi Boku)/株式会社バスキュール 代表取締役

朴さん
profile
プロジェクトデザインスタジオ「バスキュール」の代表取締役/クリエイティブディレクター。AIデザインラボ「SaySay」を2023年に共同設立。同年、森ビルとともに開設した新しい都市体験をR&Dする「TOKYO NODE LAB」のエグゼクティブクリエイティブディレクターに就任。

VRARなどデジタルを駆使した企画を生み出す

2人目は、虎ノ門ヒルズの情報発信拠点「TOKYO NODE」の研究開発チーム「TOKYO NODE LAB」で、エグゼクティブクリエイティブディレクターを務める朴正義さん。虎ノ門ヒルズを「育てる人」代表です。「TOKYO NODE LAB」は、リアルとデジタルが融合する舞台を企画したり、虎ノ門ヒルズステーションタワーの外観や広大な屋外エリアを詳細にスキャンしてARコンテンツが楽しめるアプリを開発したり……。デジタルを活用した仕掛けを生み出すのを得意としています。

20253月には、大谷翔平選手が所属する大リーグチーム、ドジャースとコラボレーションし、「TOKYO NODE」で「Dodgers Experience展」を実施。大谷翔平選手と山本由伸選手が投げる球を、キャッチャーとして「捕る」、バッターとして「打つ」擬似体験ができるVR型バッティングセンターを設置して、大きな話題となりました。

アイデアは宇宙へ。地上と宇宙をつなぎ、これまでにない体験を

さまざまにデジタルやデータを駆使したイベントや企画を手掛けながら、高まった技術や経験を応用して朴さんが次に目指したのは、宇宙でした。テレビ局を連携し、国際宇宙ステーション(ISS)を借りて「宇宙放送局」を設置するプロジェクトを発足。宇宙と地上を双方向でつなぐ世界で唯一のスタジオができたのです。また、大阪・関西万博においては、ISSに開設した宇宙放送局を通じて、ISSと大阪・関西万博のEXPOホールをリアルタイムでつなぐ、万博史上初の宇宙ライブイベントを実施しました。

2025年の大みそかには、宇宙放送局と横浜市庁舎をライブでつなぐ年越し配信イベントを開催。参加者と宇宙から見える初日の出を眺めました。「宇宙から地球を眺めて年越しをする行事を、世界共通のものにしたい」。朴さんの野望は壮大です。

 

■野村滉一朗(Koichiro Nomura)/ソムリエ

野村さん
profile
帝国ホテル「レ セゾン」でメートルドテル(給仕長)を務めたのち、チーズの世界へ。チーズ専門店LAMMASでは本店店長および虎ノ門ヒルズ店の立ち上げを担当。2025年、欧州3カ国のチーズ熟成士のもとで研鑽を積む。HRSサービスコンクール第142位/第153位。

「もっと魅力と届けたい」との想いから、チーズの世界へ

3人目は、Hills Breafastが行われている虎ノ門ヒルズステーションタワーアトリウムの奥に広がる中庭「T-MARKET」の一角に店を構える、チーズ専門店「LAMMAS」を立ち上げから手掛けた野村滉一朗さん。かつて、高名なホテルのレストランでメートルドテル(給仕長)を務めていた野村さんは、お客様へチーズを提供する際にいくつかの課題を抱えていたといいます。

コースの終盤でお腹いっぱいの中、無理して食べる。何を選べばいいかわからない。説明されてもよくわからない。こうしたお客様側の課題がある一方で、提供側としてもある課題がありました。チーズは発酵し、熟成が進行する生き物のような食べ物であるからこそ、どう管理してどう提供するのがベストなのかがわからないのです。こうした課題を克服し、「もっとチーズの魅力を届けられるのではないか」と考え、野村さんはチーズの世界へ足を踏み入れました。

熟成士が手掛ける最高のチーズを、より多くの人へ

LAMMAS」はフランス、イギリス、スペイン、イタリアからチーズを輸入しており、すべてが「熟成士」と呼ばれるプロフェッショナルが手掛けた熟成チーズです。「チーズ作りは大きく分けて、動物を育てる、ミルクからチーズを作る、チーズを完成させるという3工程に分かれています。その中で、チーズを完成させる役割を果たすのが熟成士です」と野村さん。熟成させると香り、食感、味わいが良くなったり、余韻が長くなったりするのですが、そのピークを見極め、さまざまなアプローチで手入れを施すのが熟成士の仕事です。

店にはチーズ専門のセラーがあり、2分に1回水蒸気を出して管理しているのだとか。大型チーズの解体ショーや、チーズとワインのペアリング会なども実施して、多くの人に熟成チーズの魅力を発信しています。「改札の目の前にある、日常と非日常の間の空間でチーズを楽しんでもらいたい」。気になる人は、チーズ専門店で虎ノ門で新しい体験をしてみては。

 

■坪川潤之(Hiroyuki Tsubokawa)/クリエイティブディレクター

坪川さん
profile
東洋大卒、Jリーグで5年活躍。スポーツ界のメンタル課題に使命感を抱き戦略的に転向。SCFC所属と並行しヨミテ勤務、昨年引退。現在はCDとしてWEBマーケに従事。CDで培ったクリエイティブ力と原体験のメンタルを武器に、競技者の枠を超えて独自の価値創出で教育の普及に注力。

プロ1年目でパニック障害を発症した、サッカー選手時代

4人目の登壇者である坪川潤之さんは、虎ノ門ヒルズステーションタワー36階にオフィスを構える株式会社ヨミテで働く、ヒルズワーカーです。異色の経歴で、2年前まではプロサッカー選手として5年間プレーし、社会人としては2年目のルーキー。選手時代には、通算100試合を超える試合に出場して活躍したといいます。

さぞ順風満帆な選手生活だったのだろうと思いきや、実はそうではありませんでした。プロ1年目にパニック障害に陥ったのです。ピッチに立つと動悸、めまい、過剰発汗などの症状が現れ、辛い日々を過ごしました。「メンタルが弱いからこうなるのか?」「性格が問題なのか?」と悩む中、「心にひっかかるものがあった」と話します。それは、たとえメンタルが強くても真面目、責任感が強い、完璧主義……こういった人が心の病を抱えがちなのではないかということ。

サッカーと同じくらい活躍できる、セカンドキャリアの道へ

そこで思い切って、SNSで自分自身がメンタルに問題を抱えていることを公開しました。すると、学生など多くのサッカープレーヤーから「自分も同じく悩んでいる」といった反響があったといいます。その後、スポーツをする子どもがいる保護者に向けて、メンタルケアの大切さを伝えるイベントを開催するなど、自身ができることに取り組んできました。

アスリートには、セカンドキャリア問題がつきもの。坪川さんいわく、「働き口がないのではなく、サッカーよりも夢中になれないものがないのが問題」とのこと。そんな中、坪川さんはチームのスポンサーだった企業と出会い、そこで1年間、選手と兼任しながら勤めて引退。「素晴らしい仲間に出会えた」と、希望を持って歩み出しました。クリエイティブを探究し続ける会社で、自身の経験を踏まえ、クリエイティブとメンタルコンディションサポートを掛け合わせたアプローチを生み出す。それが、サッカーに代わる夢となったのです。

 

■猿山未華(Mika Saruyama)/ARCH会員 日立建機株式会社

猿山さん
profile
早稲田大学大学院応用化学出身。2013年日立建機入社。サービス部品の分析業務や経営企画を経験し、課題発見と提案を重ねてきた。現在は新規事業として立ち上げた重機ファンコミュニティの運営を担い、「好き」という感情を起点に、非財務価値を事業へとつなげる取り組みに挑戦している。

マイナーだが熱い、重機ファンのコミュニティを作りたい

自身の会社を「クソかっこいい重機を作っている会社です」と紹介したのは、5人目の登壇者、猿山未華さん。鉄道や重機など大きな機械が好きで、2013年に日立建機へ入社した猿山さんは、社内で初めて行われたビジネスコンテストで「重機のファンクラブをつくりたい」とプレゼンし、審査員特別賞を受賞しました。大型機械の中でも、重機は非常にマイナーです。「鉄道ファンは友友達と一緒に鉄道の写真を撮りに行きますが、重機ファンは1人で現場を見に行く人が多い」とのこと。コミュニティが築かれにくい分野なのです。

しかしながら根強いファンは多く、業界関係者へ調査すると、重機が好きだからこの仕事に就いたという人が40%以上もいたといいます。マイナーだけれども熱い重機ファンのコミュニティを作ろうとまず取り組んだのは、「求む重機ファン」と書いたボードを掲げて3日間、展示会に立つことでした。するとそこで200名もの人と名刺交換ができ、翌月に79名が集まってオフ会が開催できたのです。

社会のインフラを支える重機業界を、推し活で盛り上げる

25年の5月からは、会社のサステナビリティ活動として、公式の重機ファンクラブが発足。しかし「これは単なるファンクラブではない」と猿山さんは話します。社会のインフラを支える重機業界へ、人材が入ってくるきっかけづくりもなるから。社会の持続的な継続につながり得る活動なのです。現在、会員数は300人から1300人に増えたのだとか。

さらには、建設機械工業会に対し、「1119日を建設機械の日に制定しよう」と提案をしたり、3300名が渋谷へ集結する「建機ドリームデイ」を開催したり。コンビニで重機のブロマイドをプリントできるサービスや、ポッドキャストや公式noteの運用など、重機の「推し活」を盛り上げる仕掛けをどんどん展開しています。重機ファンの存在を世の中に知ってもらうべく、これからもファン11人の情熱を可視化する取り組みを続けていきます。

 

■クロストーク
プレゼンの後は、登壇者5名+MCが自由に語り合うクロストークの時間。その様子を、ちょっとだけお届けします。

会場から届いた「ファンを集めるイベントをやるときに、工夫していることは?」との質問に対して、「教えてくださいというスタンスで入ること。マニアの知識には勝てません」と猿山さん。また、野村さんは「生産者とお客さん、そして価値観の違うお客様同士の橋渡しのような存在になることを意識しています」と答えました。

また、「高校生の娘が、“虎ノ門ヒルズには遊ぶところがない”と言っている。学生が楽しめるアイデアは?」との質問には、井上さんが「いろいろなビジネスに触れられるのは、学生にとっても魅力なのでは。建築的な美しさもあるし、広場などには自然もたくさんある。ぜひ虎ノ門ヒルズの中をお散歩することをすすめてもらえたら」と答えました。

登壇者同士はもちろんのこと、参加者が気軽に質問できるフランクさもHills Breafastの魅力。ぜひ会場へ足を運んでみてください!

 

■参加者コメント

ここで、会場に足を運んだ参加者の声をお届けします。

3回目の参加です。私は埼玉在住、埼玉勤務なのですが、私にとって虎ノ門ヒルズは憧れの場所であり、刺激をもらえる場所です。Hills Breafastは、モチベーションを上げてくれ、明日からまた頑張ろうと思えるイベント。私はお酒が好きなので、野村さんのお話も印象に残りましたし、お祭りも大好きなので井上さんのお話にもワクワクしました。私もいつか虎ノ門ヒルズで働けたらいいなと思います。
40代・秘書) 

◎これまで何回か足を運んだことがありましたが、最近は来られていませんでした。今回はたまたま近くで予定があったので、タイミングよく参加できました。皆さん、「好き」が仕事になっている人たちばかりで、きっと若い人たちにはより登壇者の話が魅力的に感じられるのではないでしょうか。普段、あまり接することのないジャンルの人の話を聞くのは良い気分転換になります。
40代・会社役員) 

◎初めて参加しました。以前からおもしろそうなイベントだなと思っていたのですが、朝が得意ではなく、通常回にはなかなか参加できずあきらめていました。ぜひ夜開催を増やしてほしいですね。場自体の空気がとても良くて、楽しい時間を過ごせました。会場から活発に質問が飛び出したのも良かったですね。森ビルにはポテンシャルがあると思いますから、これからに期待しています。
60代・金融業)

 

次回の開催は325日(水)、朝8時からを予定しています。登壇者の情報や申し込みなどはこちらから。

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