1月の開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

127日に虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウムで開催された、159回目のHills Breakfastにも、朝早くから多くの参加者が集まりました。活躍ジャンルもプレゼンスタイルも異なる4人の登壇者の話に、参加者たちは真剣に耳を傾けました。

●橋本 季和子(Kiwako Hashimoto)/株式会社ACTA PLUS共同創業者・代表取締役

vol.159|橋本さん
profile
1991年山口県生まれ。廃棄物処理業を家業にもつデザイナー。18歳で単身渡韓し、梨花女子大学校で空間デザインを専攻。その後韓国国内外の照明・空間デザインを経験。帰国後、デザイナーの傍ら家業の廃棄物処理会社で廃棄物アートコンテストを立ち上げ、2024ACTA+を創業。

「廃棄物」を、美意識を刺激するアートに生まれ変わらせる

橋本さんが代表取締役を務めているのは、株式会社ACTA PLUS。「ACTA(芥/あくた)」とは、「廃棄物」という意味を持つ古い言葉。同社はゴミや役目が終わったものでアートを生み出す事業を展開している企業です。現在は600人のアーティストと連携し、企業に対してサステナビリティで魅力的なアート作品や企画の提案をしているとのこと。

創業のきっかけは、デザインを学び仕事にする中で見てきた、建築業界の廃棄物への関心だったといいます。建築の現場ではスクラップ&ビルドが繰り返され、多くの建材や建物そのものが大量の廃棄物となり、捨てられている現状があるのです。そうした廃棄物を価値あるものへ転換できないか。橋本さんはそう考えました。

「正しいから」ではなく「好きだから」。サステナビリティをポジティブに

事業の根底にあるのは、「正しさの押し付けではなく、感性によって選択できる社会にしたい」という思い。サステナビリティと聞くと、どうしても“やらなければいけないもの”という義務感に似たイメージを抱きがちですが、そうではなく「サステナビリティに向かう選択肢がポジティブで楽しいものであるといい」というのが橋本さんの考えです。

現在は、さまざまな企業とコラボレーションして、アートイベントや展示企画などを展開中。全国に数十カ所のホテル・旅館を有する企業との協業では、各ホテルがある地域の産業や工業をリサーチし、その関連素材を使ったアートを製作してホテルに展示しました。最近注力しているのは、「アート×エンタメ」。221日からは東京ミッドタウン八重洲で、『神秘の森』と題したパブリックアート展を開催予定とのこと。興味のある人は、ACTA PLUSの公式サイトをチェック。

 

●善本 喜一郎(Kiichiro Yoshimoto)/写真家

vol.159|善本さん
profile
東京の街の変遷を撮り続ける写真家。昭和と現代を同地点・同アングルで対比する「東京タイムスリップ 1984」シリーズ著者。失われゆく風景と人々の記憶を鮮やかによみがえらせている。写真集はベストセラー8刷、累計39,200部を突破した。公益社団法人日本広告写真家協会副会長。

40年前と40年後。同じ場所で撮った写真の対比で見えてくるもの

自身が20代の頃に撮った東京の風景と、全く同じ場所・同じアングルで撮った約40年後の東京の風景。この2つを対比した写真集がベストセラーとなっているのが、写真家の善本喜一郎さんです。昔撮った写真のフィルムをコロナ禍のタイミングで処分しようと見返したところ、見つけたのが40年前の東京の風景。「この風景は今、どうなっているんだろう」と、街へ出て同じように撮ってみたといいます。

時代を超えて変化した同じ場所の写真をSNSにアップすると、多くの反響が。「当時は箸にも棒にも掛からなかった写真が、40年経った今、別の価値を生み出している。同じ人間が40年前と今を撮っているのも意味があるのではないか」と善本さんは語ります。

写真が、変わり続ける東京の記憶を次の世代へつなぐ

善本さんのプレゼンは、写真が主役。自身が撮った昔と今の東京の街を繰り返し投影しながら、そこに短い言葉を添えてゆったりとプレゼンが繰り広げられます。「変わったのは建物だけではなく、私たちの時間です」「この写真の主役は人ではなく、それを見つめるあなたです」「1984年。いまほど急ぎ足ではない東京でした。便利さと引き換えに、私たちは何を置いてきたのでしょうか」……。

渋谷や新宿、上野や原宿といった街の変化を感じながら、時代の流れや自身の人生、身近な人の成長などに思いをはせた参加者は多かったかもしれません。他の登壇者からも「善本さんのプレゼンに癒された」との声が聞かれました。締めくくりは、「東京はこれからも変わり続けます。この記録が未来の誰かへの手紙になれば幸いです」との言葉。ぜひ善本さんの世界に浸ってみてください。

 

●久野 崇文(Takafumi Kuno)/日本テレビ放送網株式会社 社長室宇宙ビジネス事務局 主任

vol.159|久野さん
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愛知県出身。2010年入社後、制作技術部門でスタジオ番組や五輪など中継番組のテクニカルディレクターを担当。その後、R&D部門にて、メディア表現研究、大学や企業との共創、社内ラボスペース企画運営、各種展示イベントを推進。最近異動し、宇宙関連のビジネス開発に邁進中。

試行錯誤のアップデートを続ける「プロトタイプ精神」

なぜかVRゴーグルを装着して、舞台に立った久野さん。実は目の前にカンペを投影して話していたのだそう。そんなユニークなスタイルのプレゼンを行った久野さんの仕事や生き方もまた、非常にユニークなものでした。プレゼンのテーマは「常識をシャッフルし、未来のプロトタイプを創る」。プロトタイプとは、「試作品」や「実験機」などを表す言葉です。今の延長戦ではなく、常に挑戦や実験を繰り返して、未来を切り開いていく。それが久野さんのモットーなのです。

テレビ局に入社した久野さんは、オリンピックやW杯、箱根駅伝などの中継現場で放送の技術面を担う仕事していました。「その日のためだけにシステムを組み、終わればばらして次へ。中継車自体を自分で設計して、乗り込み、オペレーションをする。中継車は常にアップデートを止めない実験室でした。この現場が私のプロトタイプ精神を育んだのです」と話します。

これまでにないメディアを使い、誰も見たことのない未来へ

その後、R&D部門へ異動し、テレビの枠組みを超えて未来をつくる仕事を担当することに。しかし、いざ挑もうとすると常識にとらわれて新しいことができなかったといいます。それで目を向けたのは、海外でした。常識を振り払うため、これまでに105カ国へ足を運んで、自らをカオスの中へ放り込んだのです。「海外へ行くと常識が音を立てて崩れていく瞬間がある」と久野さん。

Tシャツや椅子、空間そのものなど、意外なものをメディア化する企画や、窓を前面スクリーンにして移動そのものを物語に変えてメディア化する「XRツアー」の企画など、既存の枠にとらわれないアイデアでさまざまなコンテンツを生み出してきました。直近の取り組みは、森ビルとタッグを組んで進めている“街のメディア化”。新橋と虎ノ門を舞台に、街そのものを人々の感性を刺激するメディアにプロトタイプしていく挑戦です。「常識の枠を突き抜け、最高におもしろい景色をつくりたい」。久野さんのこれからの取り組みから目が離せません。

 

●大原絵理香(Erica Ohara)/株式会社東急エージェンシー ソーシャル&PRPRプランナー

vol.159|大原さん
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PR/広報。米NJの大学でPRを学んだのち、卒業後は、外資系のオンラインゲーム会社でPR/広報のキャリアをスタート。その後は、ホールディングスカンパニー、一部上場企業、ベンチャー企業と、様々なレイヤーでのPR/広報業務を行いながら、並行しメディアの編集やライター業も行う。

お化け屋敷は、作り込まれた芸術性の高いコンテンツ

普段は、広告代理店でPRプランナーをしている大原さん。その別の一面は、「お化け屋敷が大好き」ということ。趣味が高じて、さまざまな分野の選ばれしマニアにしか声がかからない『マツコの知らない世界』に出演し、マツコ・デラックス相手にお化け屋敷の魅力を語ったのだそう。

大原さんがお化け屋敷にハマったのは、日本を代表するお化け屋敷クリエイター・五味弘文さんが出演していたドキュメンタリー『情熱大陸』を見たのがきっかけ。「お化け屋敷はただ怖いだけのものと思っている人が多いかもしれません。でも、ストーリーや装飾、演出など総合的に練られた芸術性の高いコンテンツなのです」と語ります。例えば、主人公の部屋に置かれている洋服や書籍といった小物には、主人公のキャラクターや趣味が色濃く反映されていたり、壁にかかった時計が指す時刻には意味が込められていたり……。設定や作り込みが細かくて丁寧なのだといいます。

マニアが教える、自分に合ったお化け屋敷の選び方

日本には、それぞれにコアなファンがたくさんいるお化け屋敷クリエイターが何人もいて、特徴や文脈の異なるお化け屋敷を展開しているのだとか。夏やハロウィンの時期には、ポップアップイベントとしてお化け屋敷が作られることもあり、さまざまな場所へ足を運ぶうち、大原さんは10年間で100カ所以上のお化け屋敷を制覇したそうです。

より多くの人にお化け屋敷を楽しんでほしい。でも苦手な人がいるのも事実。ゆえに、大原さんは「恐怖」を分解して自身の傾向を知り、お化け屋敷のコンセプトを「人↔お化け」「日本↔海外」「受動的↔能動的」といったいくつかの軸に分けて分析することで、自身が入りやすいお化け屋敷を見つけるコツを披露しました。

 

■クロストーク
プレゼンの後は、登壇者4名+MCが自由に語り合うクロストークの時間。トークの様子を、ちょっとだけお届けします。

写真家の善本さんから、映像の世界を経験していた久野さんへこんな質問が。「映像は多くの人に影響を与えるものだが、だからこそ責任が大きいはず。失敗してしまったことは?」

それに対して久野さんは、「生放送は緊張する。箱根駅伝のとき、スタートの5分くらい前に発電機が落ちて映像が来なくなったことがあった。なんとかつないでお茶の間に映像を届けたが…」と経験談を話します。

MCからの「自身の原体験は?」との質問に、橋本さんは「建築ではスクラップ&ビルドは当たり前、資材は必ず余分に用意して使わなければ捨ててしまう。それを見て、自分の倫理観にひっかかった」と語ります。

大原さんには、参加者から「どうしてもお化け屋敷が怖い。初心者へアドバイスがほしい」との声が挙がります。それに対して、「音が怖ければ耳栓をしていくのもおすすめ。部屋の角を曲がるときにお化けが出てくることが多いので、先に覚悟しておくといいかも。階段は危ないから、お化けは絶対出てこない。階段では気を抜いて大丈夫」といった役立つアドバイスが。

登壇者同士、そして参加者と登壇者が交流する、楽しいクロストークになりました。

 

次回は、虎ノ門ヒルズのワーカーズナイトと224日(火)19時~21時の夜開催のスペシャル回です。予約受付は、291115以降。登壇者のプロフィールや申し込み方法などはこちらから。

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