4月の開催レポートが到着! プレゼン動画公開中!

152回目のHills Breafastは、424日に虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウムで開催されました。集まった参加者たちで会場は満席。熱気あふれる雰囲気の中、登壇者の4名が個性を発揮したプレゼンを披露しました。

現場で話を聞けなかった!という人は、それぞれのプレゼンをこちらの動画でチェックしてくださいね。

■竹内大貴(Daiki Takeuchi)/起業家
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profile
起業家。小学5年生で渡米し、父の運営する起業家向けシェアハウスを手伝いながらシリコンバレーで中学高校を過ごす。帰国後、ミネルバ大学に入学するも中退し、株式会社Verne Technologiesを創業。音声AIインターフェースの実現を掲げ、AIデバイスの開発とAIの受託開発事業を行う。 

マスクのように身につける、新感覚のデバイスを開発中

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」。竹内さんが大好きだというこの言葉は、フランスの小説家、ジュール・ヴェルヌの名言です。大学を中退して竹内さんは、「お金も地位もスキルもない中で、想像するしかできなかった」と当時を振り返ります。手掛けている事業は、AIの受託開発とデバイスの開発。

現在は、マスクのように口を覆う形状のハードウエアを開発しています。これは、身につけると自分の声を打ち消すことができる機能をもったデバイス。自分の声はイヤホンからしか聞こえなくなるのです。カフェや新幹線などの公共スペースでオンライン会議に参加することが増えている昨今、プライバシーや守秘事項などを守ることができる画期的なアイテムです。

スキルや知識がなくても、「想像」はいつかきっと形になる

シリコンバレーで中高時代を過ごし、アメリカの大学へ進学。現在はAIデバイスを開発しているという経歴だけを見ると、とても優秀で天才肌の人だろうと想像するでしょう。しかし、「天才ではなくて、むしろとんちんかんなところがある。プログラミングもやったことないし、ハードウエアのこともよく知らなかった」と思いがけないことを話します。

経験がない業界で起業といういばらの道を選んだのは、「頭がお花畑だから。僕は楽観的な想像ができるのが強み」と竹内さん。AIがある時代、想像を実現するためのコストも時間も格段に少なくなっています。自分が実現できなくても、想いが伝播して違う誰かが実現してくれるかもしれません。だからこそ、「人間ができる唯一のことは、想像すること。竹内さんのプレゼンに背中を押された参加者は多かったはずです。

 

■井浦あい(Ai Iura)/株式会社Valley and Wind 共同創業者、Kruhi ファウンダー&ディレクター
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profile

大学卒業後、一部上場企業でIR業務・秘書を経験後、俳優井浦新と結婚。約13年の専業主婦を経て、健康と環境に配慮した心地よい製品の必要性を感じ、2021年に夫とともに()Valley and Windを創業。現在はKruhiディレクターとして、自然との共生や循環、実感を軸に、製品価値の発信と普及に取り組んでいる。

体調にも自然環境にも影響が。たかがシャンプー、されどシャンプー

夫である俳優の井浦新さんと共に、石けんシャンプーなどを展開するブランド「Kruhi」を立ち上げた井浦さん。そのきっかけは、自身の体調不良でした。30代の頃、体が言うことを聞かずに起き上がれなくなり、1日中BBCのニュース番組を見ながら横になる日々が続いたといいます。その時に考えたのは、「地球全体が全く健康でないし、自分も健康でない。なんとかしなきゃいけない、私自身何ができるだろう」ということ。

ケミカル素材がたくさん入ったシャンプーや化粧品を使うのをやめたところ、体調がみるみる改善。自然由来の素材でできた石けんシャンプーは、髪がきしんでしまい、どうしても使い続けづらい。でも自然環境に負荷をかけないし、人に負担をかけないメリットがたくさんある。使い心地を良くすることが使命だと、夫と一緒に会社を立ち上げたのです。

未利用資源を活用し、地域課題の解決にも寄与するプロダクト

Kruhi」の製品は、全て自然由来成分100%。世の中にナチュラルコスメと呼ばれるものはたくさんありますが、使っている植物がどれだけ地域課題に役立つか、どれだけ使う前よりもよくなる実感があるか。これを基準に製品づくりをしています。各地域で出た農作物の未利用資源などをアップサイクルして、シャンプーやバームなどを作っているのです。

日々使うシャンプーや化粧品を「Kruhi」に替えるだけで、地域社会への貢献や地球環境の保護に貢献できることも、愛用者の共感を得ています。「私たち人間も自然の一部だと考えて、難しく考えずに、地球に良いことをする。それは自分にも良いこと」。井浦さんの想いと全国で農業に従事する人たちの作物への愛情が、プロダクトへと昇華され、多くの人を癒しています。

 

■杉田曠機(Koki Sugita)/書道家、アーティスト
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profile
宮崎県生。大学在学中、ストリートから書道家としてのキャリアを始める。G20などでの外交貢献や、国内外の著名企業にも作品やデザインを多数収める。また、茶の湯炭などの素材や、各地の文化・歴史に着目し、「狭間」をテーマに、絵画やインスタレーションの手法で制作、研究している。 

19歳に転機を迎え、未経験から独学で書道の道へ

書道家兼アーティストの杉田さんは、NYタイムズスクエアやG20などでの書道パフォーマンス、ヒルトンやカルティエ、美術館などに飾られる作品の製作、企業のロゴやパーパスを筆で書く依頼など、さまざまな分野で活躍しています。

小さな頃からさぞかし字が上手だったのだろうと思いますが、母親から「みみずが這ったような字」と言われるほどに、書くことは苦手だったそう。何しろ、杉田さんが書道を始めたのは、22歳の時なのです。しかも、独学。路上で通りすがる人を相手に文字を書くことから活動をスタートしました。大きな転機となったのは、19歳の時。1週間で2人の知人が相次いで自ら死を選び、「人間は簡単に死ぬことができる」と感じたといいます。

自分の道を正解にする。そんな生き方で人生を豊かに

また、20歳の時に母親から「あなたの父は本当の父じゃない」と聞かされたことも、大きな出来事でした。血縁はないけれども、みんなからもらった「杉田」の名前でどう生きて、どう死ぬのかをひたすら考え、出会ったのが筆文字でした。すると後日、先祖に書家がいたことを知ります。自身のルーツが明らかになり、書道家としてあらためて歩んでいくと決めたのです。

「独学だし、うまいわけではないが、多くの人が感動してくれる」と杉田さん。何事にも正解・不正解はなく、「自分の道を正解にするつもりで生きていく」と前向きです。評価を受けるまでに至るのは、決して楽な道ではありませんでした。「けれど、続けてきたことで変われたし、人生が楽しくなった」。自分だけの「正解」を追い求める杉田さんの生き方は、深く参加者たちの心に響いたようです。

 

■井上新八(Shimpachi Inoue)/ブックデザイナー、習慣化
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profile

1973年、東京生まれ。大学卒業後、新聞社で編集者を務めたのち、2001年に独立してフリーランスのデザイナーに。常時30件ほどの仕事を並行させながら、20年以上も独学、アシスタント無しのフリーランスとして活動。趣味は「継続」。多忙な中でも続けられる工夫をまとめた著書がベストセラーに。

年間およそ170冊を手掛ける、売れっ子ブックデザイナー

井上さんの本業は、ブックデザイナー。書籍の表紙や中ページなどのデザインを手掛けています。この道へ進んだのは、飲み屋である出版社の社長と出会ったこと。「Macを持っている」と言ったら、「デザインをやればいいんじゃない?」と勧められたのだそう。そうして、フォントが何かもわからない状態から、独学でソフトを学び、デザイナーとしての第1歩を歩み始めたのです。

2004年に出版された、『夜回り先生』のデザインが話題になり、そこから次々と仕事が舞い込むようになりました。現在は年間160170冊ものブックデザインを手掛ける、超売れっ子のデザイナーです。仕事に追われて、超多忙。そんな毎日が、井上さんに「習慣家」という肩書きをもたらすきっかけになりました。

あらゆる行動を毎日の習慣に。小さくやれば継続できる

忙しくてもやりたいことはたくさんあって、あきらめたくない。特にゲームが好きで、毎朝20分間を確保して興じていたのだそう。そんな生活を9年間ほど続けたある日、井上さんは気づきます。「こんなくだらないことが継続できるのは、毎日続けていたからだ」と。そうして、生活の全てを習慣化してみようと思いつきます。空の写真を撮ってインスタにアップするとか、日記を書くといったことをやり続けて、毎日の習慣に。

そうして増えていった習慣は、朝のルーティンだけで70個ほど。瞑想、英語の勉強や筋トレ、掃除、趣味さえも習慣に落とし込んでいます。続けるコツは、1つ1つ小さくやっていくこと。だいたい5分を1コマで考え、こなしていくのです。もはや継続は趣味になり、これをテーマに書籍も出版。習慣化ができなくて困っているという人は、井上さんの書籍をチェックしてみて。

 

■クロストーク

プレゼンの後は、登壇者4名+MCが自由に語り合うクロストークの時間。アーカイブには残されないトークの様子を、ちょっとだけお届けします。

MCから、「新しいインスピレーションや、やりたいことはどこから湧いてくるのか?」との質問が。それに対して竹内さんは、「歩いている時やボーっとしてる時に湧きやすい。日頃から意味のないことを考えていると、それぞれがつながる瞬間がある」と答えます。

井浦さんは、「私は新しいことはしていません。人と出会ったり、昔の習慣を知ったりすることで、原点回帰をしています」と、自身らしい回答を。アーティストである杉田さんは、「1000の情報を入れたら、何か1つはアイデアが出てくるだろうと思って、いろんなことを学ぶようにしている」とのこと。

井上さんは「だいたい何となく始めることが多い。やっているうちに、自分に合っているかどうかわかってくる」と話します。習慣になっている掃除は、もともと好きではなかったものの、2年くらい続けたら好きになったのだとか。

個性の異なる4人の回答にはやはり、個性が光っていました。

 

■参加者コメント
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ここで、会場に足を運んだ参加者の声をお届けします。

◎六本木ヒルズで開催していた頃に何度か参加していますが、虎ノ門ヒルズ開催は初めて参加しました。いろんな分野の人が短い時間でプレゼンするのがいいですよね。私は60代だけれど、若い人がたくさん来ていて、新しい視点を得らえるのもいい。次回の登壇者には15歳の人がいるとか。楽しみにしています。(60代・自営業)

◎知人がSNSで開催情報をシェアしているのを見て、初めて参加しました。仕事に直接生かせる話もあったし、生き方の本質を考える時間にもなり、パワーをもらいました。皆さん伝えるのが上手で、プレゼンの参考にもなりました。登壇者はもちろん、足を運んでいる人たちの雰囲気もいいなと思います。(30代・IT関係)

2回目の参加です。前回がおもしろかったので、また来てみました。書道家の杉田さんが話していた「どう生きて、どう死ぬか」という言葉が印象に残りました。20歳を過ぎてから新しいことを始めて、それを極めているのがすごいですよね。新しいことは何歳から始めてもいいんだと勇気をもらえました。(30代・自営業)

 

次回の開催は、529日(木)8:00~。場所は虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウムです。登壇者のプロフィールや申し込み方法などはこちらから。

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