12月の開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

148回目のHills Breakfastは、125日に虎ノ門ヒルズステーションタワー内のTORANOMON HILLS CAFEにて開催。約70名の参加者が足を運び、個性豊かな登壇者のプレゼンに耳を傾けました。

現場で話を聞けなかった!という人は、それぞれのプレゼンをこちらの動画でチェックしてくださいね。

■竹下 俊一(Shunichi Takeshita)/代表取締役CEO

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東京大学 教養学部 教養学科・超域科学文化分科 文化人類学コース卒。在学中に株式会社GATARIを創業。全国最大規模の学生VRサークルUT-virtualの創設者でもあり、若い世代のVRコミュニティのボトムアップに尽力する。 2020年にMixed Realityプラットフォーム「Auris」をリリースし、フィジカルな世界とデジタルな世界が融け合うMixed Reality社会の実現を目指す。

VRの価値を最大限発揮させるには、人間理解が欠かせない

東京大学出身の竹下さんは、在学中、「UT-virtual」というバーチャルリアリティサークルを立ち上げるほどのVR好き。「VRの魅力を世の中に広めたい」と学生起業をして、XRサービスの企画開発・運営事業を展開する株式会社GATARIの代表取締役CEOとして活躍中です。「VRはテクノロジーのイメージが強くて、自分とは遠い世界のものだと思われがち」と語る竹下さん。しかし、VRはもともと演劇用語で、最近テクノロジーの文脈で使われるようになった言葉とのこと。

そして、「人はこの世界のありのままを見てはいない。VRを使うと、世界そのものを変えることなく、見えるものを変えることで世界を変えることができる」と、VRの真髄を解説します。だからこそ、テクノロジーだけではなく人間理解がとても大事で、GATARIも「人間理解と共に進化し続ける会社」を掲げています。

スマホとイヤホンだけで没入感を体験できる「Auris」を開発

メディアテクノロジーの進化は著しく、デジタル情報をあたかも内装のように空間に半永久的に固定できる技術は存在しますが、それを見られるデバイスが誕生していません。両者の間に10年くらいの差があるのが、VRを取り巻く環境の課題だといいます。そうした現状がある中、GATARIでは視覚は現実世界を見ながらも、スマホとイヤホンさえあれば没入感を体験できる「Auris」というコンテンツを開発しました。

これは、自分自身の体がコントローラーになって、歩いたりしゃがんだり、何かを見たりすることで物語が進んでいくような体験を現実の中で再現できるもの。文化財やホテル、動物園などのガイドとして導入され、注目を浴びています。この技術を用いた「wish a wish 1年後に届く声のタイムカプセル〜」の企画を、1225日まで六本木ヒルズで開催中。詳しくは、CHRISTMAS HILLS 2024の公式サイトでチェック!

 

■尾崎 ななみ(Nanami Ozaki)/SEVEN THREE.クリエイティブディレクター

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真珠養殖職人の祖父×孫で手を組み、伊勢志摩産あこや真珠ブランドを立ち上げる。今までは市場から溢れてしまっていた、尾びれのような突起を持って生まれてきた真珠たちを「金魚真珠®」と名付け展開。故郷である伊勢志摩の情報発信を担う観光大使「伊勢志摩アンバサダー」としても活動中。

丸くない、白くない。そんな真珠に新しい価値を

三重県伊勢市で生まれ育った尾崎さんは、高校卒業後にモデルやタレントとして活動していましたが、10年前にキャリアチェンジ。現在は「SEVEN THREE.」という真珠のジュエリーブランドを運営しています。「真珠にどういうイメージを抱いていますか?」と、参加者に呼びかけた尾崎さん。そして、「きっと丸くて白いものを思い浮かべたはずです。でも、自然の宝石なので丸い形のものばかりではありません」と話します。

一般的に市場に流通しているのは丸くて白い真珠ばかりですが、尾崎さんのブランドで扱われているのは、1つ1つ形が違う丸くない真珠です。色もグレーや青味がかったもの。こうした真珠は「変形真珠」や「バロックバール」とも呼ばれているのだそう。これを尾崎さんは、突起部分が尾びれのように見えることから、「金魚真珠®」と名付けました。

固定観念を取り払えば、見えなかった市場が広がる

SEVEN THREE.」は、尾崎さんと88歳の祖父が2人で運営しています。長く真珠の養殖に携わってきた祖父の姿を見ながら、「せっかく生産者が3~4年かけて育てても、形がいびつなだけで市場には出ない。でもこれを何とか生かすことができないか」と考えたのが、ブランド設立のきっかけです。祖父は「いびつな真珠が売れるわけがない」と考えていたそうですが、そこに尾崎さんが新しい視点を加えたのです。

丸くて白い真珠がいいものだという考え方も、真珠は女性ものというイメージも正解ではない。「固定概念を取り払うと市場が広がる」と語ります。いびつな形の真珠の魅力を発信しながら、尾崎さんが伝えているのは、「みんな同じでなくていい。人も真珠もそれぞれの魅力がある。個性を生かして生きてほしい」というメッセージ。孫×祖父の挑戦は、始まったばかりです。

 

■小森 さじ(Saji Komori)/脚本家

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profile

神奈川県横浜市出身。フェリス女学院高校、東京大学文学部卒。会社員としてアニメ関連の企画に数多く携わる中で、脚本への興味を抱き、退職してイギリスの大学院で映画学を専攻。

現在はアニメの脚本を中心に、ドラマ、ゲームなど幅広く執筆している。

大好きなアニメを見返し、会社員を辞め脚本家になると決意

脚本家として、アニメ作品を中心にドラマやゲームなどの脚本を手掛けている小森さん。最近では、WEBアニメ『幼なじみのカルボウ』、漫画『選べないよ、イーヴイ』などのポケモン作品、漫画『実在アンプラグド』など、名だたる作品の脚本を担当しています。小森さんは脚本家になって約5年。それ以前はイベント企画会社に勤める会社員だったそうです。

当時、仕事は楽しいものの「自分はこの社会で何をすべきなのかを考えた」といいます。そんな中で、小森さんが子どもの頃に生まれて初めて映画館で見たアニメ『ミュウツーの逆襲』を見直したところ、大人になった今でも心に響いたのです。そして、その作品の脚本家のブログを読んだことで、脚本家に挑戦してみようという想いが芽生えました。

子どもだましではなく、良い影響を与えられる作品を書きたい

全く経験がなかったにも関わらず、会社を辞め、イギリスで1年間脚本について学んだ小森さん。コロナ禍で個人事業主の辛さを実感しながらも必死に頑張り続け、大好きな『ミュウツーの逆襲』の監督の作品で、脚本を書けるまでになったのだそう。

小森さんが抱いているのは、「物語の想像力を使って、社会に少しでも尽くしたい」という想い。刺激的な作品がもてはやされる昨今ですが、「よくある話でも、人が良くいられる話を書きたい」と、子ども向け作品でも、子どもだましではなく、何かを感じ取ってもらえる脚本作りに力を注いでいます。1つの作品が世に出るまでには多くの人が汗を流していて、脚本家が携わるのは、最初の1工程に過ぎない。参加者たちは、普段何気なく見ているアニメ制作の裏側を知ることもできました。

 

■小向 国靖(Kuniyasu Komukai)/取締役マーケティングデザイン局長

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profile

通信社でシステムエンジニアとして従事後、FMJ-WAVEに入社。編成部にて放送とWEBの連携推進。2006年にIT関連会社である株式会社J-WAVE iを設立し、2008年に同社の代表取締役就任。J-WAVEのみならず一般企業や自治体、公的機関のデジタル施策やコンテンツ開発を手掛ける。J-WAVEでは番組「INNOVATION WORLD」等の番組を立ち上げ、2016年よりテクノロジーと音楽のフェス「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA」の総合プロデューサーを務める。202411月にTOKYO NODEとの共催で開催されるテクノロジーと音楽のエンターテインメント・ミュージアムMUSIC MUSEUMMUUUSE(ミューズ)」の総合プロデューサー。

「テクノロジー×エンタメ」の切り口で番組&フェスをスタート

言わずと知れたFMラジオ放送局「J-WAVE」は、ラジオパーソナリティを「ナビゲーター」と言い換えたり、「J-POP」という言葉を生んだりと、常に新しい価値観を世の中に発信してきました。小向さんは、システムエンジニアから転身し、J-WAVEへ入社。デジタルに強い人材として、テクノロジーとエンタメの切り口で展開する「INNOVATION WORLD」という番組を立ち上げました。ゲストにクリエイターを迎えたり、テクノロジーイノベーションのトレンドを紹介したりするこの番組は、現在も毎週金曜20時から放送されています。

その後、2016年に番組から派生した、テクノロジーと音楽のクリエイティブフェス「INNOVATION WORLD FESTA」をスタート。「コードを書く人がロックスターだと思っている」という小向さんの発想のもと、エンジニアというロックスターとアーティストのロックスターが共演するユニークなフェスです。

全身で音楽に飛び込む”新感覚の音楽体験ミュージアム“を展開中!

そして、新たに次の展開を探る中で生まれたのが、虎ノ門ヒルズステーションタワー45階にある「TOKYO NODE」で開催中の「MUUUSEMUSIC MUSEUM」。この「⾝体ごと⾳楽に没⼊する新感覚の⾳楽体験ミュージアム」のアイデアは、フェスでアーティストのブッキングに難航し、「デジタルの時代だから、パフォーマンスをデジタル真空パックしてフェスにもっていこう」と考えたのが始まり。

32個のスピーカーが発する立体音響で、音楽の誕生を音と映像で表現するギャラリー、し自分がステージの真ん前に立っているような臨場感を味わえる大スクリーンでのアーティストのライブ映像など、見どころ満載。開催は1227日まで。ヒルズアプリの会員はお得に鑑賞できる特典もあります。詳細は、「TOKYO NODE」の公式サイトから。

 

■クロストーク

それぞれのプレゼンの後は、4人の登壇者によるクロストークを実施。動画では見られない、トークの内容を少しだけご紹介します。

起業のきっかけについてMCが尋ねると、竹下さんは「就職活動のために立ち寄ったイベントでVRヘッドセット体験して、VR面接をしたこと。面接が終わった後に、相手がアメリカから参加していることがわかり、自分の脳がこんなに騙されるのかと驚いた。それでVR技術を用いた事業をやろうと思った」と話します。

また、「心に残った仕事として」小向さんが挙げたのは、FM局すべてが同じ時間に同じ番組を放送する取り組み。桑田佳祐を沖縄に呼び、アコースティックライブを55局で同時に流した時に、「ラジオで日本が1つになった感覚がした」と経験談を語りました。

尾崎さんは、「真珠は昔からあるものだけれど、視点と発想を変えるだけで可能性が広がった。きっと日本には、まだまだそういうものがたくさんあるはず」と、ビジネスにおいて大切な気付きについて、実体験から語ります。

一方で小森さんは、「毎日、もどかしい…書けない…と思いながら、アイデアが浮かばなくて、絶望しながら生きている」と脚本家の苦悩を明かしてくれました。

まったく異なるフィールドで活躍する4名の登壇者。44様のトークに、参加者たちは興味深く聞き入っていました。

 

■参加者コメント

ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

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◎近所に引っ越してきて、ヒルズアプリでお知らせしているイベントにいろいろ参加してみようと思い、足を運びました。4名の登壇者の信念やこだわりについて聞くことができ、たくさんエネルギーをもらいました。一緒に話を聞いた参加者たちも、朝活に参加するだけあって皆さん意識が高く、自己紹介タイムに交流ができて楽しかったです。

50代・販売員)

◎虎ノ門ヒルズに勤めているのですが、前回の開催時に通りがかり、「朝8時台にこんなにポジティブなオーラを放っているイベントがあるの?」と気になって参加しました。足を運んで大正解。熱意をもって活動している人が登壇するだけあって、自分の価値観が揺さぶられる感覚がありました。正直、アニメに疑心を抱いている方でしたが、小森さんの話を聞いて「こういう人が作る作品なら見てみたい」と思わされました。とても素敵なイベントで、絶対またリピートします!

40代・理容師)

◎ヒルズアプリで知り、初めて参加しました。せっかくこんなに人知れず活躍している人が登壇して、プレゼン後には直接、話をするなど交流もできるのに、それを広くアピールしていないのはとてももったいないと思いました。つながりを求める人が、縁を得られるイベントとして、発信の仕方などを工夫すると良いのではないでしょうか。

60代・自営業)

次回の開催は、122日(水)19:00~。場所は、地下鉄日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅直結の虎ノ門ヒルズステーションタワー ステーションアトリウムです。登壇者や予約の情報はこちらから。

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