7月開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

7月3日(月)に六本木ヒルズのヒルズカフェにて開催された、135回目のHills Breakfast。今回も、六本木のけやき坂にある「Bricolage bread & co.」のパンを販売。ドリンクとおいしいパンを味わいながら、およそ50名の参加者が登壇者たちのプレゼンに耳を傾けました。

人生や生き方、社会の幸福……と、大切なことを考えさせられるプレゼンばかり。参加できなかった!という人は、各登壇者のページからアーカイブ動画をチェックしてくださいね。

 

■市川 太一(TAICHI ICHIKAWA)/CEO World Road Inc

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【profile】
大学時より青年版ダボス会議と呼ばれる、One Young World に参画。2019年、世界への道がひらける教育と機会を創造するべく、World Roadを立ち上げ、グローバルやサステナビリティ、キャリアを題材とした教育/育成プログラム、PR・イベントなどを官民学に展開。

十人十色の夢があり、それは自由に表現していい

冒頭で、「あなたの夢は何ですか?」と会場に問いかけた市川さん。そもそも、福島で幼少時代を過ごした市川さんにとって、壮大な夢を語ることは遠い世界のことでした。高校卒業後の進路を決める際も、並んでいるのは赤本ばかり。「高校生にとって、大学に行くことが夢なのか?」と疑問に思ったといいます。

そんな市川さんのモヤモヤを晴らしたのは、『高校生の夢』という1冊の本。47都道府県の高校生が自身の夢について語っている内容で、その中にあった「夢がないから、夢を持つのが夢」というある高校生の文章を見て、「自分の夢をありのままに表現してもいいんだ」と気付きました。そうして、「世界に出ること」を夢に、大学生活をスタートさせます。

原点に立ち返り、行動を起こした先に見えたもの

大学時代に参加した、世界190カ国の若者が集まる「One Young World」での出会いもまた、市川さんの心を動かしました。北朝鮮から脱北した女性のスピーチに感銘を受け、「どうしてこんなことができるの?」と尋ねると、「私しかできないことだから」との返答。自分もそうなりたいと強く思ったと言います。

社会人になり、転職した会社が倒産して悩んでいた時期、「自分がやりたいことは?」と考えてノートに書いたのは、教育に携わること。そうして、「地球を1つの学校にする」をミッションに起業します。高校生の時に呼んだ本を思い出し、世界中から夢を集めて本を作ろうと行動を起こすと、世界中から800人近くの夢が届きました。ぜひ「WORLD OF STORY」で検索して、たくさんの若者の夢に触れてみてください。

 

■夏目 亮太(RYOTA NATSUME)/株式会社ProofX 代表取締役

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【profile】
早稲田大学大学院にて修士号を取得後、大手IT企業に入社。AIやブロックチェーンを活用した新規プロダクトの立ち上げやサービスへの応用に従事。2022年に株式会社ProofXを創業し、NFTを活用した企業ブランドの顧客ロイヤルティ向上・ファンづくりに取り組む。

世界が注目する「WEB3」を、いち早くビジネスに展開

つい先日まで、カナダで行われたWEB3のアイデアコンテストに参加していたという夏目さん。WEB3とは、中央管理者を持たないブロックチェーン技術を利用した新しいインターネットのことで、今、世界中から大きな注目を浴びています。WEB3の「相互連携ができる」価値を活用し、夏目さんは自身の会社で、次世代ビジネスを手掛けています。

大学院へと進み、AIの研究に励んでいた当時から、「技術を研究するだけではなく、技術を生かしたプロダクトをつくりたい、サービスとして提供したい」と考えていたそう。そうして友人たちと起業をし、そこで出会ったのがWEB3でした。「WEB3を用いることで、あらゆるサービスがつながり、データを相互連携できるようになる」と説明します。

「銭湯×WEB3」など、ユニークな仕掛けが拡大の予感

WEB3を活用すれば、自社店舗、EC、オンラインコミュニティなどのさまざまな接点を横断し、一貫で顧客に提供することや、事業者間の提携も可能になり、顧客ロイヤリティの向上や新規顧客の獲得につなげることができるのです。例えば、夏目さんの会社が手掛けた新宿浴場組合の案件では、銭湯をめぐってQRコードを読み取り、各店舗オリジナルデザインの来店記念NFTを獲得するイベントを開催。これまでにない企画で、銭湯に馴染みがなかった層を取り込むことに成功しました。

今後は、オンラインとオフラインの世界がWEB3を通してつながったり、メタバース空間へ連携したりとますます発展が期待されており、夏目さんの活躍の場がどんどん広まっていきそうです。

 

■占部 まり(MARIE UZAWA URABE)/内科医、宇沢国際学館 代表取締役、日本メメント・モリ協会 代表理事

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【profile】
新しい資本主義の基礎ともいえる「社会的共通資本」という考え方を提唱した経済学者・宇沢弘文の長女。より多くの人に伝えたいと幅広く活動を行う。医療現場の経験から「メメント・モリ~死を想え」を問い、よりよく生きることに向き合う場の提供もしている。

弱者を切り捨てない社会を築くためには?

占部さんの実父は、経済学者・宇沢弘文氏。彼が提唱し、占部さんが広めようとしている「社会的共通資本」について、プレゼンをしてくださいました。この考え方は、社会的なインフラや教育、医療、司法、金融制度などの制度資本を「社会的共通資本」と考え、国や地域など社会全体で守っていくこと、そして、これらを利益に換える対象にしないことを主張するものです。

そうすれば、弱者を切り捨てることなく、どんな人でも生き生きと幸せに暮らすことができます。占部さんは、「例えば、教育に関して価値を感じていない家庭に生まれた子は、教育に投資をしてもらえない。しかしそういう子であっても、教育の機会を平等に与えるべき」と、例を挙げます。

「人とのつながり」が健康寿命を延ばす鍵

医療もまた、社会的共通資本の1つです。医師法の第1条には、「医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」とあり、医師である占部さんはこれを大きなミッションだと感じています。そして、人とのつながりが幸せ、そして健康を生むと言います。

「孤独は1日タバコ15本分」とも言われ、心筋梗塞での死亡率データを見ると、誰もお見舞いに来てくれないと約7割が亡くなってしまいますが、2人以上が来ると、26%に下がるのだそう。イギリスでは人とのつながりを処方する制度があり、それによって救急搬送の数が激減しているとのこと。コロナ禍を経た今こそ、宇沢弘文氏の理論をあらためて問い直す機会かもしれません。

 

■川本 寛之(HIRO KAWAMOTO)/Funverth Pvt.Ltd Foudner & CEO/native. Co-Founder

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【profile】
2Cブランドでマーケ、ベンチャーでインド子会社を創業。インドのデカコーン企業OYO日本創業メンバーとして事業開発、人事、PM、グロースを経験。独立系VCにて、インド投資チーム、CVCファンドの立ち上げ実行。占いベースのマッチングアプリnative.創業。

「残された人生をどう生きるか?」を考え、インドへ

「3,650」。これは、遺伝性の病気を抱えた川本さんが、2年前に主治医から言われた「残りの人生」の目安です。残された10年をどう生きるかを考えたとき、わが子に「金融資産は残せないかもしれないが、経験資産は残せるかもしれない」と、インドで「和製ガンジー」として、負の感情にさいなまれている人をエンパワーしようと決断しました。

昨年インドへ子どもたちを連れて移住。しかし、焦りが募って悶々とした日々を過ごします。その時に出会ったのが、日本人でありながら約45年間日本に帰らず、インドで仏教の最高指導者として活動している僧侶でした。彼の生き方に感銘を受け、川本さんは「自分の得意なことをしよう」と考えたといいます。

占い大国インドで、マッチングアプリを立ち上げ

約10年、趣味で占い師をしていた経験を生かし、結婚相手すら占いで決めるという占い大国であるインドで、マッチングアプリを立ち上げました。占い結果をベースに、外見ではなくその人の内面にフォーカスしてマッチングさせるものです。インドでは、人生の選択において何でも親が決めてしまう習慣に疑問を抱く人が増えていて、「IKIGAI=生きがい」という言葉が流行っているのだそう。それを取り入れて、人それぞれの「生きがいメモ」を作成し、それを見て合う相手を探すのです。

「自分が行動したことすべては取るに足らないことかもしれない しかし、行動したというそのことが重要なのである」。プレゼンを締めくくったこのガンジーの言葉を、川本さんはまさに体現しています。

 

■クロストーク
配信動画では見られない、4人の登壇者のクロストークをちょっとだけ公開します。

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占部さんがプレゼンの最後に会場に投げかけた、「人生最後に聞きたい音は何ですか?」という質問。これは、医師として終末期に「人工呼吸器どうしますか?」といった悲しいことを聞くより、自分が大事なものを耳にする方がいいという、占部さんの想いが込められた問です。

これを、他の登壇者にもたずねたところ、「難しい質問ですよね…」と言いつつも、「無音の中で、これまでの人生を振り返りながら死にたい」と夏目さん。市川さんは、「鳥の声ですね。いつも朝は鳥の声を聞きながら目を覚ますので、死ぬときに朝と同じ音を聞けたら、ワクワクしながら死ねそう」、川本さんは、「宴の音というか…。僕のアプリを使ってできたご縁でたくさんの人がわちゃわちゃしているのを聞けたら、パーソナルミッションを達成できたのだと思えるだろう」と答えました。

「人生最後に聞きたい音を聞くと、その人が人生で大事にしているものがクリアに見えてくるような気がしますね」と占部さん。会場に集まった参加者たちも思い思いに、この問いについて考えている様子でした。

 

■参加者の声
ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

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◎SNSで見て以前から気になっていましたが、今回が初参加です。テンポの良いプレゼンで、スピード感よく一気に4人の話を聞けたのが良かったです。占部さんが科学的な根拠をもとに、人とのつながりと健康の関係について語っていたのが、印象に残っています。今日は月曜ですし、いい1週間のスタートを切れそうです。
(20代・フリーランス)

◎ヒルズアプリで開催を知って、会社が近くなので朝活をしてから出社しようと思って参加しました。ふらっと来たのですが、短くわかりやすいプレゼンで、1時間で普段はあまり聞かない世界の話をたくさん聞けて、充実感がありました。市川さんの、教育に携わることをしようと思って、夢を持つことの大切さを提唱するという発想が興味深かったですね。
(20代・会社員)

◎友人に誘われて来てみました。聞いたことのない分野で、なおかつ時代の最先端をいっているような方々の話に刺激を受けました。皆さん、行動力があり素晴らしいですね。川本さんが話していた「ハイリスクの方を取る」という決断は、私とは真逆の価値観だったので、話を聞けて良かったです。
(40代・無職)

 

8月のHills Breakfastはお休みをいただき、次回は9月8日(金)朝8:00から開催いたします。

申し込みと詳細はこちらから。ぜひ会場に足をお運びください。

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