6月開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

134回目のHills Breakfastは、6月14日(水)に六本木ヒルズのヒルズカフェにて開催されました。前回に引き続き、六本木のけやき坂にある「ブリコラージュ」のパンを販売。パンのいい香りが漂う会場に多くの参加者が集まりました。

ジャンルは違えど、共通点も多かった登壇者たちのプレゼン。参加できなかった!という人は、各登壇者のページからアーカイブ動画をチェックしてくださいね。

■細木 遼大(RYOTA HOSOKI)/江田畜産executive officer-国内販売担当、転職キャリアエージェント

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【profile】
大学卒業後、製薬会社のMRなどを経て、フィットネスベンチャーに挑戦。紹介のみで2年間で100名以上を集客。営業、トレーナー、マネジメント、採用活動に携わる。2023年より和牛の無添加飼育と循環農業を実践する江田畜産株式会社のexecutive officerに就任。

「男前採用」の言葉に惹かれ、熱中できる仕事に

社会人となり、商社と製薬会社に勤めたものの、なかなか仕事に熱中できなかったという細木さん。3社目の職場として選んだのは、「男前採用」という一風変わった採用と評価基準を掲げたパーソナルジムを運営する会社でした。「自分の人生に責任を持つこと」「人を喜ばせること」「愛されること」の「男前3カ条」を体現できないと、クビになるという環境下で、前向きな仲間たちと共にお客様と触れ合い、充実した時間を過ごしたそうです。

そしてここで共に働いていたのが、現在のビジネスパートナーである、江田畜産株式会社の四代目・江田友輝さん。「和牛で世界一を取ろう」という熱い言葉とまなざしに惹かれ、同社にジョインしたのです。

唯一無二の和牛ブランドを目指して、日々邁進

江田畜産は、大正時代から続く歴史ある畜産農家。宮崎県高原町で、無添加の飼料だけを与えて牛を育てています。なかでも、オス牛に比べて筋肉量が少なく、やわらかくてジューシーな肉質のメス牛のみを出荷。高品質な同社の肉は、高原町のふるさと納税の返礼品としても用いられています。

また、会社として社会課題に取り組むべく、循環農業を展開しています。エネルギー問題や飼料の高騰などの課題に対して、牛から出た「たい肥」を土に還し、その土でトウモロコシを育て、それを飼料にする、持続可能な農業にトライして、畜産業界の未来を変えようとしています。目下の目標は、有機JASの世界認証を取ること。若い仲間たちと、熱意を胸に前に進んでいます。

 

■俣野 由季(YUKI MATANO)/株式会社つぐつぐ 代表取締役

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【profile】
薬科大学卒業後、大手製薬会社に勤め、カナダ・ドイツに留学。帰国後MBAに入学し、卒論に書いた事業計画書通りに金継ぎの会社を起業。コロナ禍に脱サラし恵比寿・浅草の2店舗オープン。20~30代の職人女子社員と共に、国内外に日本の伝統技術の魅力を発信中。

単なる修理で終わらない、芸術的な伝統技術「金継ぎ」

「金継ぎをご存じでしたか?」と、会場に問いかけて始まった、俣野さんのプレゼン。金継ぎとは、割れたり欠けたりした器を漆で接着して、金などの金属粉で装飾して仕上げる伝統技術です。俣野さんは、この金継ぎを事業として2020年に起業しました。

もともと製薬会社で働いていましたが、業界のグローバル化を背景に、カナダとドイツへ留学。トリリンガルになって帰国したものの、転職に苦戦してMBAスクールへ通うことに。この時、偶然に割れてしまった器が、起業のきっかけになりました。ドイツで買った大切な器を捨てたくない。どうにか修復できないかと検索したところ、金継ぎがヒット。修理が芸術に昇華されている金継ぎを、初めて知ったのです。

付いた傷こそ、強みになる。人生と金継ぎの共通点

価値ある伝統技術であること、MBAスクールの外国人講師が、「金継ぎが好き」と語っていたこと、ニッチな分野であること、SDGsにもつながることなどに惹かれ、いくつもの金継ぎ教室に足を運び、学んだ俣野さん。その後に書いた事業プラン通りに、ついに起業します。

「金継ぎキット」を作り、YouTubeでやり方を配信して、通販で売るというビジネス。売れ行きは想像以上。実際に習いたいという声に応えて教室を開いたら、大盛況。そうして店舗を構えることになったのです。「人生と金継ぎは似ている。心が傷ついて壊れても、それを強みにして、より美しく輝ける。そんな逆転の発想が私たちの人生をポジティブに、豊かにするのでは」と語る俣野さんの、今後の活躍が楽しみです。

 

■松岡 智子(TOMOKO MATSUOKA)/ソーシャルネットワークアーティスト

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【profile】
会社員勤めから現代アーティストに転身。活動開始から2年でルーヴル美術館地下開催のアートフェア、ロサンゼルスArt walk、川越市立美術館等で展示。「意志の具象化」をテーマに制作を続け、「セブンルール」などTVや雑誌など数多くのメディアにも出演。

32歳で花開いた、芸術への想いと絵を描くこと

会場となったヒルズカフェの壁に飾られた、色鮮やかでダイナミックな絵画の数々。ソーシャルネットワークアーティストである松岡さんが描いた絵が、いつものHills Breakfastに彩りを添えてくれました。「絵の具と一体になって、身体を使って表現する活動をしている」と話し、権威ある美術館で展示会を行う松岡さんですが、なんと、32歳まで芸術とは無縁の生活を送っていたそうです。

理系出身で認知や細胞、生命とは何かなどについて研究をし、大学院まで進んだ松岡さん。しかし、コロナ禍もあって「自分はいったい何をしていきたいのだろう」と考えていたとき、「絵を描きたいとわかった」といいます。そうして、「意志の具象化」をテーマに活動をスタートさせました。

コミュニケーションから生まれる、意志あるアート

なぜ「意志の具現化」なのか。それは、松岡さんがこれまで歩んできた道のりにヒントがあります。認知や生命について学んだ学生時代、亡くなった人と話すことを目的としたアプリ開発に挑んだスタートアップ時代。これらの経験から、「なぜ私たちはここにいるのか」「なぜそれを選んだのか」を考え、「それぞれの意志があって私たちは今ここにいる」という答えにたどり着いたのです。

松岡さんのアートの真骨頂は、ライブペイント。集まった人たちの熱気を感じ、コミュニケーションを取りながら、そこでしか生まれない作品を描くことが喜びだと語ります。6月26日まで、国立新美術館の「第27回 日仏現代国際美術展」で作品が見られるとのこと。ぜひチェックを。

 

■灰谷 貴光(TAKAMITSU HAIYA)/能登町役場 ふるさと振興課 地域戦略推進室 主幹

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【profile】
公務員アワード2020受賞。祖父も父もイカ釣り漁師だが、それを継がずに、町職員に。イカのかぶりものをしたイカれた公務員として、イカキングなどで町をPRしながら、町民と大学生・プロボノ・企業が対話による地域課題を解決する場づくりに取り組む。

有名なイカの町が、人口減で「無理ゲー」な町に

イカのかぶりものをしたユニークな出で立ちに、登場前から会場からは興味津々な視線が。しかしマイクを握るや否や、「出落ちなので、期待しないでください」と、見た目とは裏腹なコメントで笑いを誘った灰谷さん。国内有数のイカの水揚げ量を誇る石川県能登町で、地域活性化のために尽力しています。

能登町は、豊かな自然に恵まれた小さな田舎町。イカの町として知られてはいるものの、人口は減り、学校やスーパーがなくなり、町最大のお祭り「イカす会」も終了し、どんどんにぎわいが消えていっていました。町へ調査に来た大学生が、将来の人口予測を見て「能登町って、無理ゲーですよね」と言うほどに、希望が持てないような状況になっていたそうです。

廃れていくふるさとを、見て見ぬふりはできなかった

ふるさとの危機を「傍観したままではダメだ」と、考えた灰谷さん。でも何をしたらいいかわからず、仲間と一緒にまずは通学路の草刈りから始めました。しかしそこで、「こういうことができたらいいね」と、地域の未来を話し合うコミュニケーションが生まれたのです。そうして、地域団体を立ち上げてお祭りの復活を目指して邁進。

AKBの曲を踊る動画が流行したタイミングで、町の人を巻き込んでYouTubeをアップしたところ、メディアに取り上げられ、町に注目が集まりました。2014年、晴れてイカ尽くしの祭りが再開。県外からも人がやってくるように。町の人たちの笑顔のために、まだまだ灰谷さんの「無理ゲー」を払拭する挑戦は、続きます。

 

■クロストーク
配信動画では見られない、4人の登壇者のクロストークをちょっとだけ公開します。

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和牛、金継ぎ、アーティスト、公務員と、まったく異なる世界で生きている4人。しかし、「全員、背負っていたものを捨てて、新しい道を選んでいるところが似ていると思った」と細木さん。「業界が違うのに、共通点がある。強い意志があることや、これまでの自分を捨てて前に進んでいること。とても共鳴しました」と俣野さん。

それぞれ、「一歩踏み出す時、どんな気持ちだったのか?」「選択をする時はどんな直感に従うのか?」といった質問をし合い、会場から挙がった「4人が初めて顔合わせをしてから、プレゼンを聞いて変わった印象は?」「チームなどで活動する際に、どんなコミュニケーションを心がけている?」「3年後、5年後の展望は?」といった質問にも答え、充実のクロストークタイムになりました。

 


■参加者の声
ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

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◎以前、ヒルズライブラリーの会員でイベント自体は知っていましたが、初参加です。みなさんやりたいことをして生きているので、熱量が高くて刺激になりました。きっとたくさん失敗や挫折もあったでしょうが、それを乗り越えてきた強さを感じました。
(50代・会社員)

◎コロナ前はよく来ていましたが、久しぶりに足を運んで見ました。登壇者をチェックして、灰谷さんのイカのかぶりもののインパクトに惹かれましたね。4者4様の話でしたが、「意志」があるのが共通していると思いました。プレゼン内容をより掘り下げて聞けた、クロストークの時間が良かったです。
(30代・会社員)

◎MCをした竹内さんに誘われて、初めて参加しました。それぞれにジャンルが違いますが、1つのことを追い求めている点が似ていますよね。特に松岡さんは、自分にはないアーティスティックな感性を感じて、すごいなと思いました。
(20代・会社員)

 

次回は7月3日(月)朝8:00から、六本木ヒルズ ヒルズカフェ/スペースにて開催します。
ぜひ会場に足を運んで、配信では見られないクロストークや登壇者とのコミュニケーションも楽しんでくださいね。
詳細と申し込みはこちらから。

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