2月リアル開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

六本木 蔦屋書店2階の「The Lounge」で開催された、130回目のHills Breakfast。今回も多くのリスナーが朝早くから足を運び、登壇者のプレゼンに耳を傾けました。現地に行けなかった!という人は、各登壇者のページから動画をチェックしてくださいね。

■阿部 裕彦(HIROHIKO ABE)/加西市役所 ふるさと創造部、Do-it代表、一般社団法人ART FUNK代表理事、北播磨ブランド化実行委員会代表、日本パラアート協会代表

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【profile】
2003年に社会貢献活動団体Do-itを創立。内閣府チャイルドユースサポート章受章はじめ、数々の賞を受賞。その他、各種団体を立ち上げながら、障がい者やシニアの社会参画推進や地方創生に挑む。公務員アワード2019受賞など、七色の顔を持つ異色ダンサー。

公務員ではできないことに、非営利でチャレンジ

名前の横に並んだ肩書きを見るだけで、多様な顔を持つ人だということがよくわかる阿部さん。兵庫県加西市の職員をしながら、NPO団体の運営や地域貢献、障がい者支援などに取り組んでいる、パワフルなエネルギーの持ち主です。そんな阿部さんのベースにあるのが、ヒップホップ。17歳のときに出会い、心奪われたヒップホップダンスで街づくりをしたいと思ったのが原点とのこと。

公務員として日々地域の課題に向き合ってはいるものの、仕事としてできることに限界を感じ、非営利の活動を次々とスタート。有給休暇を使い、無給で県立高校の体育の講師をしたり、ダンスで地域を活性化させる団体を立ち上げたりと、「官」と「特(NPO)」2つの軸を持ち、精力的に行動を起こしています。

自分にしかできない社会貢献を続けていく

阿部さんが地域活動や社会貢献に力を入れようと思ったのは、母親の死がきっかけ。「崩壊、差別、貧困で大変な人生だった」という生い立ちや、妹が重度の障がい者であるという背景もあり、阿部さんにしかできない活動が生まれていきます。その一つが障がい者の社会参画を促したり、障がい者ダンスバトルをブランド化したりする一般社団法人ART FUNKの取り組み。

また、現在は障がい者がダンスや絵画、映像などで自己表現をする日本パラアート協会の活動に力を入れており、「いかにパラアートをコンテンツ化するか」というテーマを掲げて邁進しています。プレゼンのラストは、圧巻のソロダンスタイム。音楽に合わせて華麗に踊る阿部さんの姿に、会場には大きな拍手が響いていました。

 

■森川 くみこ(KUMIKO MORIKAWA)/株式会社Merone 代表取締役

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【profile】
女性の経済的・精神的自立を目的とし教育事業を多岐に渡り展開。従来の物販ではなく、廃棄品や不要品をアップサイクルし、売り手の品格も教育していくことで業界の活性化を目指し、女性やママに特化した在宅物販スクール「Re:che」を運営。

過剰在庫と女性の自立を掛け合わせて事業を展開

森川さんが代表取締役を務める株式会社Meroneは、女性やママに特化した在宅物販スクール「Re:che」を運営しており、生徒数は1,000名を超えます。メーカーの過剰在庫が社会問題になっていることに目を付け、それを買い取ってメルカリやヤフオクで売り、経済的に自立できる女性を増やそうという支援事業。価格の妥当性や調査から値付け、ブランド品の鑑定、検品作業などの販売ノウハウを提供しています。

森川さんが大切にしているのは、ノウハウだけでなく「品格」を教えること。「ただ儲かればいいではなく、どう生きたいかを定めて仕事をすること、生き方を教育することを軸にしています。私なんて全然ダメで…という人が多いけれど、セルフイメージが高い女性をどんどん増やしていきたいのです」

想いが行動のきっかけとなり、夢を実らせる

2021年以降企画運営した展示会イベントは業界平均の3倍を記録するなど、右肩上がりで躍進中の森川さん。しかし、そんな彼女もかつては仕事を辞め、ニート状態で昼からビールを飲み、パチンコに興じる生活を送っていたこともあるのだそう。失業保険が切れ、不用品を売ってみたことが、事業を立ち上げるきっかけになったのです。

母親にメルカリのやり方を教えたら、「私にもできるんだ」と喜ばれたことが、女性支援やサードプレイスを作りたいという行動に昇華し、現在に至ります。「何もないところから始めましたが、夢は形になるということを胸に、日々活動しています」。森川さんの想いによって、一人でも多くの女性が幸せになることを願います。

 

■寺崎浩一(KOICHI TERASAKI)/TYPICA 品質管理(QC)チーム

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【profile】
製菓学校を卒業後、パリなどでパティシエとして働くなかでコーヒーの魅力を見出し、2012年、スターバックスに転職。社内No.1バリスタの証「コーヒーアンバサダー」やロースタートレーナーなど、重要なポジションを歴任。2022年11月にTYPICAへジョイン。

生産者の顔を浮かべて飲む、1杯のコーヒー

プレゼンの最後に寺崎さんが会場へ問いかけたのは、「何かを食べるとき、誰の顔を思い出しますか?」との言葉。どんな食べ物にも、もとをたどると多くの生産者がいますが、日常的にそれを意識することは少ないでしょう。寺崎さんが働くTYPICAは、1杯のコーヒーを飲んだときに生産者の顔が浮かぶような世界観を目指し、コーヒー豆のダイレクトトレードに取り組んでいる企業です。

もともと、パティシエをしていた寺崎さん。コーヒーの魅力に惹かれ、スターバックスへと転職します。コーヒーを追及していく中で見えてきたのが、決して楽観視できないコーヒー業界の未来でした。問題意識を感じた寺崎さんは、もっとグローバルな活動でコーヒー業界に貢献したいと考え、TYPICAに入社します。

世界中に「努力の結晶=豆」を届けたい

背景にあるのは、コーヒー豆の小規模生産者の貧困問題。日常で消費されているコーヒーの33%は大量生産されたもの。残りの67%は小規模生産者が作ったもので、それはなかなか市場に出回りません。「小規模生産者が作るユニークで高品質なコーヒーを、産直の新鮮な野菜や魚のように世界中に届けたい」。それが事業の根底にあります。

通常、コーヒー豆はコンテナ単位で取引されますが、1袋単位でも購入できるオンラインプラットフォームを立ち上げ、新鮮な豆をタイムリーに提供できる環境を整えました。2030年には、世界一高品質なダイレクトトレードコーヒーマーケットの確立を目指しているとのこと。「1粒1粒が努力の結晶」と語る、寺崎さんのコーヒー愛があふれ出た6分40秒でした。

■廣 優樹(YUKI HIRO)/NPO法人二枚目の名刺 代表

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【profile】
慶應義塾大学卒業、Oxford 大学Said Business School MBA、2002年日本銀行入行、金融機関・金融市場モニタリング、経済調査等を担当。2014年より、商社にて食料部門の海外事業開発・投資を担当。

「Who you are?」に答えられない自分がいた

4児の父親でもある廣さんは、普段は商社で働きながら、「NPO法人二枚目の名刺」の代表としても活動しています。二枚目の名刺とは、「組織や立場を超えて、社会のこれからをつくる社会人が持つ名刺」。副業として単にお金を稼ぐのではなく、「自分の本業と社会貢献を組み合わせると、新しい生き方が広がっていく」という考え方が、ベースになっています。

2008年に留学先で聞かれた、「Who you are?」という質問に答えられなかった廣さん。この問いには「あなたが実現したいこと、大事にしていることは何ですか?」という意味が込められているからです。その後、仕事で訪れたベトナムで「帰国して会社員として仕事をするだけなのか?」と尋ねられたことも、心に刻まれたといいます。

今いる場所から一歩を踏み出し、学ぶこと

海外勤務を終えて帰国後、「もう1枚名刺を持っています」という人たちと出会い、「社会に関わることが社会人の成長につながる」との想いで、NPO法人の立ち上げを決めました。社会人とNPO団体をつなぐ活動を続ける中で、実感しているのは、会社から外に出て学ぶ「越境学習」の効果の大きさ。

「価値観が揺さぶられる経験をすること、正解がない社会課題にぶつかって戸惑うこと。その経験が大きな学びになるのです」。かつて返答できなかった「Who you are?」に、今なら「人の変化を後押しして、社会の変化を生み出したい」と胸を張って言える。そんな廣さんのモットーは「犬も歩けば棒に当たる」。行動を起こした人だけに訪れる多くの機会を、これからも廣さんは支えていきます。

■クロストーク
配信動画では見られない、4人の登壇者のクロストークをちょっとだけ公開します。

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寺崎さんの話を聞いて、「小規模米農家の問題を思い出した」と阿部さん。「コーヒーの逆バージョンで、小規模米農家を世界に発信したい。寺崎さんと相談したい」と早くもコラボの予感。 

また、森川さんからは「ママたちに囲まれて仕事をしていますが、たくさんの経験、スキルがあるのに『私は何もできないから…』と話す人が多い。専業主婦でも二枚目の名刺を作る人はいるのですか?」との質問が。

これに廣さんは、「日本人は遠慮がちで、オリジナルのものを持っているのにアピールしない。オリジナリティを掛け合わせたら、もっといいものになる可能性もあるのにもったいないですよね。それに、スキルがないとダメだと思う人がいるけれど、『挑戦したいこと』で名刺を持ったっていい」と答え、自分で自分の可能性を狭めなくていいと話しました。

このような登壇者同士の掛け合いは、現地参加者しか聞けない特権。オフレコの話の中にもたくさんのヒントや気付きがありますから、ぜひ足を運んでみてください。

■参加者コメント
クロストーク終了後は、参加者が登壇者に直接質問するなど、間近で触れ合うリアル開催ならではの時間。

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ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

◎前回初めて参加して、とても良かったのでまた足を運びました。今日もすごくいいエネルギーをもらえた気がします。独立を考えているのですが、まだ業界が定まっていないので、いろんなジャンルの話を聞けて参考になりました。
(30代・会社員)

◎以前からイベントの存在は知っていましたが、コロナ禍も明けたので初めて来てみました。皆さんから前向きなエネルギーを感じましたし、アットホームな雰囲気も良かったです。また参加します。
(40代・セラピスト)

◎千葉の成田から朝5時半に出発して来たので大変でしたが、足を運んで良かったです。寺崎さんのお話から、普段からよく飲むコーヒーの裏側を知ることできて興味深かったです。これから社会人になるのですが、いろんな道を歩む人の話を聞けて充実した時間になりました。
(20代・学生)

◎2月に転職で東京に来たばかりで、コミュニティに入れたらいいなと思い、参加しました。皆さん本業以外の分野であれだけ魅力的な活動をしているのが本当にすごいなと。これから仕事に行くのですが、とてもやる気がわいてきました。
(20代・会社員)


次回は、「adidas Runners Tokyo」とのスペシャルコラボ回を予定しています。スポーツや健康をテーマにしたトークに加え、adidasのコーチと一緒に六本木ヒルズ周辺を走るイベントも。新作シューズ試着やオリジナルTシャツのプレゼントもありますので、ぜひご参加ください!

詳細と申し込みはこちらから。

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