127回目のHills Breakfastは、六本木ヒルズ内にあるPARK6 Powered by bondolfi boncaffēにて、オンライン配信もまじえたハイブリッド形式で開催。参加者はドリンクを片手に、リラックスした雰囲気で登壇者のプレゼンに耳を傾けました。
見逃してしまった!という方はぜひ、YouTubeでアーカイブをチェック!
■4;12~
大武優斗(YUTO OTAKE)/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部2年生、あの夏を取り戻せプロジェクト代表、合同会社VEL 代表
追い続けてきた夢を絶たれたあの日を忘れない
小学6年生から野球を始めた大武さん。中学時代は全国大会レベルの選手が集まるチームでプレーし、甲子園へ出場経験のある強豪校・城西高校のスポーツクラスへ進学。「授業中は寝て体力を温存し、部活に備えていた」というほど、野球中心の生活を送っていたのだそう。もちろん、目標は甲子園へ出場すること。
しかし、怪我を経て復帰した高校3年生の春。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で春の大会が中止に。それでも気を取り直して夏の甲子園に賭けようと、必死に練習に取り組んでいましたが、5月、唯一の望みだった甲子園大会の開催も中止が発表されます。「あの日の絶望は一生忘れないと思う」と大武さん。
大人が何もかも決めてしまう世界を変えたかった
大学へ進学してもなお、コロナ禍で不自由が続く日々。その状況に「大人の力だけでいろんなことが終わってしまう世界は嫌だ。何かインパクトを残したい」と、起業を決意。在学中に会社を興しました。事業を検討する中で「やはり自分の人生には野球しかないのでは」と思い至り、取り組むことに決めたのが、「あの夏を取り戻せプロジェクト」。
全国の元高校野球チームのメンバーに声をかけ、各都道府県の独自大会優勝校46チームによる大会を開催することにしたのです。実現に向けて現在、絶賛活動継続中。「なるべく多くの人に知ってもらえたら」。Twitterのフォロー&拡散を呼び掛けると、早速スマホを取り出す参加者の姿も。元高校球児たちが失われた夏を取り戻す日が、近づいています。
■14;29~
金丸りりあん(LILIAN KANEMARU)/ONE NOVA inc CEO & Brand director
創業早々、話題になった「透明なパンツ」
ある1冊の本をきっかけに、ソーシャルビジネスに興味を持ったという金丸さん。イベントでフェアトレードのバナナを売るなど自ら行動を起こしていた大学在学中、友人に「ソーシャルビジネスで起業しよう」と誘われました。悩むことなく創業し、手掛けることにしたのは男性向けの下着の販売です。
インドへコットンが洋服になるまでの過程を見に行くなどして開発したのが、「世界一透明なパンツ」。原価や製造工程をすべて見せるという意味と、履いていることすら忘れてしまうという意味を掛け合わせた言葉です。大学生が「透明なパンツ」を売っている。そのインパクトはとても大きく、メディアで数多く取り上げられ、事業は順調なスタートを切りました。
「透明なパンツ」を封印して気が付いたこと
しかしながら、順調な日々は長くは続きません。売上が伸び悩み、周囲のアドバイスもあって一時事業をストップ。それでもお客様とのコミュニケーションは続けていたといいます。そこで耳にした、「相棒のようなパンツ」「テンションが上がるパンツ」といった商品を愛してくれているお客様の声によって、もう一度、パンツと向き合うことにした金丸さん。
「やめる」のではなく「変える」選択をし、「透明なパンツ」を封印してリニューアル。女性向けの商品も新たにラインナップして再スタートを切りました。「ブランドも人と同じで変化していくもの」。下着にまつわる課題を払拭した「ノイズレスな着心地」を追求し、金丸さんの挑戦は続きます。
■25;48~
瀬川 翠(MIDORI SEGAWA)/建築家・シェアハウス大家
高校生で空き家を相続し、オーナーに
店舗だけでなく、商品パッケージやロゴのデザイン、サービス運営の仕方まで幅広く手掛ける会社で働く瀬川さん。一方で、10年前からシェアハウスの大家でもあり、自身も、結婚してもなおそこに住み続けるという、ユニークなライフスタイルを送っています。「彼らといかに楽しく暮らすかを模索するのが、大家の私の仕事でもあり、人生そのもの」。
原点は、高校時代。親戚が持っていたボロボロの空き家を、当時夢中だったバンドの活動拠点として使っていました。やがて親戚が亡くなると、驚くことに、瀬川さんに家を譲るという遺言が。アルバイトを必死にして、相続税の122万円を支払い、高校生で一軒家のオーナーになったのです。
血がつながらなくても、長く暮らせば家族
「みなさんにとって、家族とは何ですか?どこからを家族と呼べますか?」。会場の参加者に、瀬川さんは問いかけます。現在、シェアハウスやワークスペースなど7つの拠点で、住人や地域に住む人たちと多方面で交流し、コミュニティを築いていますが、そこで長く共に暮らし、多くを語り合い、楽しさを共有してきた人たちは、瀬川さんにとっては家族同然。
「親より友だちの方が話せることもあるし、夫婦だってもとは他人」。家族の単位も、形も、関係性も多様になり、ひと昔前の「普通」が普通ではなくなってきている今日において、あらためて考えるべき人とのつながりや絆を、瀬川さんの生き方は教えてくれます。
■35;17~
中村恒星(KOSEI NAKAMURA)/北海道大学医学部6年、株式会社SpinLife代表取締役
現場を知らなければ、医療はわからない
生まれつき心臓に病を抱え、幼い頃から何度も手術を繰り返してきたという中村さん。薬学部へ進学し、さまざまな薬の研究開発に力を注いでいましたが、そこで感じたのは「病気を持った人を直接診ることができない」というもどかしさ。そのため、ミャンマーで現地の人たちに無償で医療を提供しているドクターのもとを訪ねて、研修を経験しました。
日本では治る可能性の高い病気で、バタバタと人が死んでいく現場を目にし、「現場を見ないと医療はわからない」と痛感。それまでは、研究室にこもる生活でしたが、自分の価値を高めようと、患者さんと直に触れ合う医師になるべく、医学部へ転学することを決めます。
救われた命を精一杯、誰かのために使いたい
そこで出会ったのは、表皮水泡症という皮膚病の人たち。皮膚や粘膜のただれや水ぶくれを生じ、全身に痛みを感じる病気です。口の中も痛いため、ポテトチップスを食べるのは、トゲの付いた板を食べるのと同じくらい辛いものだといいます。そのため、彼らが口にするのは栄養価の高い流動食。
けれど、中村さんは彼らに食べる楽しさを感じてほしいと考えます。柔らかくて栄養があり、手軽で、保存がきき、おいしい。これを満たすのはチョコレートだと、メーカーと共同でレシピを開発。「50年前なら私の心臓の病気は助かりませんでした。せっかく救われた命ですから、目の前の人のために使いたい」。これからも中村さんは医師と起業家の二足の草鞋を履き、多くの人を笑顔にしていきます。
■47;18~ クロストーク
偶然にも平成生まれが集まった今回の登壇者たち。それぞれのプレゼンを聞き、と、一人一人この出会いに価値を見出した様子。
瀬川さんの「家族とは?」の質問に20歳の大武さんが答えたり、金丸さんが手掛ける下着がかわいいと盛り上がったりと、和気あいあいの4者のトークでした。
気になる中身は、アーカイブをチェック!
■参加者コメント
クロストーク終了後は、参加者が登壇者に直接質問するなど、間近で触れ合うリアル開催ならではの時間。
ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。
◎皆さん20代でありながら、起業をされていてすごいなと感じました。私なら、いろいろ悩んでしまいそうですが、フットワーク軽く行動を起こしているのが素晴らしいなと。とても刺激になりました。また参加したいです。
(30代・公務員)
◎会社の部下を見ていると、仕事がおもしろくなさそうに感じていて、自分で会社を興して活躍している20代の話を聞きたいと思い、参加しました。想いがあって、それを貫けば楽しく仕事ができるのだなと。会社に持ち帰って、伝えたいと思いました。
(50代・会社員)
◎登壇者の皆さんと、トーク終了後にお話しして名刺交換もさせてもらいました。特に印象に残ったのは、金丸さん。うまくいかなくなってやめてしまうのではなく、立ち止まって見つめ直して、再スタートを切るという選択が素晴らしいですね。
(50代・フリーランス)
128回目となる次回から、開催場所が六本木 蔦屋書店に変わりますので、お間違いなく。また、リアルタイムのオンライン配信がなくなり、アーカイブ配信のみとなりますので、いち早く登壇者の話が聞けるのは現地参加者だけ! ぜひ会場に足を運んで、生で熱い話を聞いてみてください。
詳細と申し込みは、こちらから。