9月リアル開催レポートが到着!配信動画も公開中!

126回目を迎えたHills Breakfastは、六本木ヒルズのど真ん中にあるヒルズカフェ/スペースにて開催。オンライン配信もまじえたハイブリッド形式で、およそ50名の参加者で満員となった現地にて、アットホームに行われました。

見逃してしまった!という方はぜひ、YouTubeでアーカイブをチェック!

■3;53~
山下 悟郎(GORO YAMASHITA)/株式会社コソド 代表取締役CEO

【profile】
大学卒業後、モバーシャル、MOVAAA、rakanu設立。現(株)コソドCEO。みんなの”好き”を認め合える社会の実現に向け、「たばこ」をテーマに、ポイ捨てや受動喫煙などの社会問題に取り組む。副業メンバー多数のチームで運営。

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「たばこ」という社会問題を楽しく解決するには?

「この中でたばこを吸う人はいますか?」との山下さんの問いかけに、手を挙げたのは、会場参加者の中では少数派な喫煙者たち。山下さん自身も愛煙家とのことですが、においやポイ捨て、受動喫煙などマイナスのイメージが強く、敬遠されがちなたばこの問題解決に取り組んでいるのが山下さんが率いる株式会社コソドです。

立ち寄りたくなるようなおしゃれな公衆喫煙所を設置したり、ポイ捨てされている吸い殻を写真に撮って投稿してもらい、ポイ捨ての多いエリアを特定するサイトを運営したり、ゲーム感覚で吸い殻を捨てられるゴミ箱を設置したり。楽しみながら、自然とたばこに関するさまざまな問題を解決できる仕組みを展開しています。

ペンギンのように、賢く、強く前に進む

山下さんのように、たばこの問題に目を付けて事業を行なっている人は珍しく、「ファーストペンギン(魚を求めて最初に海へ飛び込むペンギンのこと)だね」と、何度も言われてきたのだそう。それを聞いて、ペンギンに興味を持って調べてみると、「群れで動くことで生存確率を上げる」「競争の少ない場で圧倒的優位を確保」「素早く動くために進化してきた」など、その生態に、ビジネスで大切な理念が詰まっていることを知ります。

「ペンギンは、失敗しても水の中からジャンプする力は残っているらしい。だから、挑戦してみよう」。たばこを吸う人と吸わない人、異なる嗜好の人々が共存できる世界を目指して、山下さんは今日も海に飛び込み続けます。

 

■13;38~
中川 めぐみ(MEGUMI NAKAGAWA)/株式会社ウオー 代表取締役

【profile】
広告代理店などで働くなか、偶然出会った釣りに魅了され、「釣り×地域活性」事業で独立。釣り・漁業を通して全国の食、景観、人、文化などの魅力を発見・発信することを目指し、観光コンテンツ企画やPRを行う。海女、漁業ライター、水産庁・環境省等の委員も務める。

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釣りは、地域を元気にするきっかけになり得る

中川さんが代表取締役を務める会社の社名は、「魚」の音読み「ウオー」。釣りや漁業を通して地域活性化を目指す事業を行なっています。会社員時代、市場調査の一環としてトライした釣り。それまでハードルの高いコアな趣味だと思って敬遠していたそうですが、その楽しさにすっかりハマってしまったといいます。

そして、全国の旅先でも釣りをするようになり、港や釣った魚を持ち込んでさばいてくれる居酒屋などで出会う人たちとの輪が広がっていきます。ただおもしろいだけでなく、釣りを通して人がつながり、その土地の食や歴史や文化に触れることができる。「釣りは、地域を活性化させる一助になるのでは」と脱サラを決意します。

「推し漁師」文化を世の中に広めたい!

多くの港に足を運ぶうち、たくさんの漁師と知り合うようになった中川さん。「一見怖そうに見えますが、打ち解けるととてもキュートな表情を見せてくれるんですよ」。一方で、彼らが抱える担い手不足、海洋汚染、生活者の魚場離れなどの課題も見えてきたといいます。

これは漁師だけが頑張って解決できるものではないと考え、中川さんが思いついたのが、「推し漁師」という概念。好きな漁師を応援するつもりで、知って、食べて、学んで…と交流をしながら、彼らが向き合っている課題について一緒に考えていく人を増やすことが目的です。右肩上がりの推し活ブームに新しい風を吹かせるのは、中川さんレコメンドの全国の漁師たちかもしれません。

 

■22;44~
田中 惇敏(ATSUTOSHI TANAKA)/認定NPO法人Cloud JAPAN代表理事

【profile】
4年の休学を経て、現在大学生12年目。日本最年少の認定NPO法人代表として全国14軒の空き家活用を支援。大学では、パターン・ランゲージの手法により建築ストック活用の各段階を一体化した創造行為として理解し、各段階とその関係の間の良質な型の抽出を研究。

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気仙沼に第二の故郷をみんなでつくる

現在、宮城県気仙沼市で認定NPO法人を運営している田中さん。北九州市生まれの田中さんがここに移り住んだきっかけは、2011年3月11日に起きた東日本大震災でした。ボランティアで訪れた際に地元の人たちの温かさに触れ、ボランティア団体を設立。遠くからボランティアに来る人たちが宿泊する場所がない問題と、地域の空き家問題を掛け合わせることを思いつきます。

そして、メンバーや地元の人たちと協力し、一緒に空き家をリノベーションして作ったのが、ゲストハウス。遠方からのボランティアにとっては第二の故郷のような場所になり、さらには長く滞在することで気仙沼が気に入って移住する人も数多く現れているそうです。

空き家は負の遺産ではなく、社会を変える土台

その後、特に子育て中のママたちの意見を取り入れたリノベーションを実施。建築の専門家では浮かばない当事者ならではのアイデアが満載の、カフェや託児所が誕生しています。このような住民を巻き込んだ空き家のリノベーション活動は、今では全国14カ所に拡大。

「空き家は地域の負の遺産ではなくて、社会を変えていくための土台になり得るんです」。リノベーションして終わりではなく、社会を変えていくための動力として活用するためには、「つくる、楽しむ、もちよる」というサイクルをまわし続けることが大切。田中さんいわく「自走する建築ストック」である空き家。その価値をうまく活かせば、全国の課題が地域活性へと転換していくでしょう。

 

■31;25~
増田 セバスチャン(SEBASTIAN MASUDA)/アーティスト

【profile】
1990年代前半より演劇や現代美術に関わり、1995年に表現の場としてのショップ「6%DOKIDOKI」をオープン。きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」MV美術、KAWAII MONSTER CAFÉプロデュースなど、世界にKawaii文化が知られるきっかけを作った。

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国も宗教も年齢も超えて愛される『KAWAII』

現在、ニューヨークを拠点に活動中の増田さん。9月17日~19日に六本木エリアで開催される「六本木アートナイト2022」への出展のために一時帰国中のなか、Hills Breakfastに登壇していただきました。増田さんは、「KAWAII」を通して世の中に何を届けられるかをテーマに、アート、エンタメ、ファッション、NPO運営などの活動を行なっています。
 
「日本語の『かわいい』や『可愛い』ではなく、『KAWAII』は、もはや世界の共通語です」。30年前ほど前に増田さんが原宿をシンボルとして発信し始めたこの文化は、今や3世代が一緒に楽しむスタイルへと拡大。インターネットを介して国境、宗教、年齢を超えてコミュニティが広がっており、その現象を増田さんは「Digital Tribe(デジタルでつながる部族)」と名付けました。

一人一人違う『KAWAII』を認め合える世界に

KAWAIIの「Digital Tribe」が、可視化されて結びつきを強固にしたのは、コロナ禍でのこと。「KAWAII Tribe宣言」と題して、「私たちは今、外には出られないけれど、KAWAIIでつながっているよ」とメッセージを投げかけると、全世界でKAWAIIを愛する人たちの手によって13か国語に翻訳されて、瞬く間に世界を駆け巡りました。

「KAWAIIとは、自分だけの宇宙をつくること。誰にも踏み込ませない、自分だけの小さな世界です。100万人いたら、100万通りのKAWAIIがある。誰にも真似できないその人だけのKAWAIIを認め合うことができたら、それは世界平和へのアクションの一つになるのでは」。自分を愛すること、他者を認めること。多様性の中に生きる私たちに必要なヒントが、KAWAIIには隠れているのです。

 

■クロストーク 42;39~

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全員のプレゼンを聞いて、「社会課題を楽しい方法で解決に導いていることが、登壇した4人の共通点だと思いました」と中川さん。視聴者からはそんな4人の活動の「哲学」を問う質問が投げかけられ、本編で紹介された活動の背景にある想いを語ります。また、漁師によって魚の味が変わる理由、関東のオススメの釣りスポットなど、中川さんを中心に、お魚トークでも盛り上がりました。

気になる中身は、アーカイブをチェック!

 

■参加者感想
クロストーク終了後は、参加者が登壇者に直接質問するなど、間近で触れ合うリアル開催ならではの時間。

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ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

◎増田さんのTwitterを見て開催を知り、初めて参加しました。4人の皆さん全員が、社会を良くしていこうという想いを持って活動していて、話を聞いてとても清々しい気持ちになりました。増田さんに直接質問をさせていただく機会も得られて、充実した時間でした。(50代・自営業)

◎田中さんとお仕事で関わったことがあり、興味があって参加しました。デザイン関係の仕事をしているので、公衆喫煙所をデザインのアプローチで入りやすい場所にするという山下さんのお話がおもしろかったです。堅苦しくなく、アットホームな雰囲気だったので、居心地がよく、楽しく過ごせました。(20代・デザイナー)

◎皆さんジャンルは違いますが、目指す方向性が似ていると感じました。それぞれのお話も良かったし、クロストークの時間もさらに話が深まっていって、楽しく聞かせてもらいました。朝の時間を有効に使えて、1日頑張る前向きなパワーをもらえた気がします。(20代・大学生)

127回目となる次回は、10月26日(水)に開催。リアルとオンラインのハイブリッドでお届けします。現地参加は定員30名で事前申し込み制。登壇者や申し込み詳細については、こちらをご覧ください。

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