6月リアル開催レポートが到着!配信動画も公開中!

先月からオンライン配信に加えて、リアル開催が復活したHills Breakfast。vol.124の今回は6月21日(火)に催され、噂を聞きつけて会場に駆け付けた限定30人の参加者とともに、アットホームな雰囲気で幕を閉じました。見逃してしまった!という方はぜひ、YouTubeでアーカイブをチェックしてくださいね。

 

■4;49~
遠又 香(KAORU TOHMATA)/株式会社Compath 共同代表

【profile】
慶應義塾大学卒業後、ベネッセで高校生向けの進路情報誌の編集者として勤務し、外資コンサルティング会社に転職。並行してデンマークのフォルケホイスコーレにヒントを得た“人生の学校“を構想し、2020年4月に株式会社Compathを設立。

IMG_8968.JPG

デンマークスタイルのゆるやかで本質的な大人の学び場。

現在、北海道東川町で大人のための全寮制の学びの場「Scool for Life Compath」を運営している遠又さん。開校から1年半が経過し、10代から60代まで幅広く100名以上の人が訪れています。モデルは、遠又さんが旅行で訪れた際に知ったデンマークの「フォルケホイスコーレ」という全寮制の大人の学び舎。デンマークには70校ほど存在し、日本の人口に換算すると1500校はある計算で、日本の大学と同じようにポピュラーな学びの場なのだとか。

評価やテストがなく、自分と向き合うことが目的の「フォルケホイスコーレ」は、当時キャリアアップだけにフォーカスし、視野が狭くなっていると感じていた遠又さんにとって、とても魅力的に映ったといいます。

自分について、他者について、社会について知る。

1週間程度の短期から10週間程度の長期までさまざまなコースを用意し、日本の社会構造に合ったやり方を模索中ですが、共通しているのは「あなたそのものが大事な資源である」というテーマ。哲学や音楽、アート、スポーツなどを通して自分自身について学び、人間的に成長することが目指されています。「大人なのに全寮制?と思うかもしれませんが、他者との共同生活を経て民主主義的な在り方を学んでいくのです」と遠又さん。

なぜ日本にこのような場を作るのか。その答えは、「母国語で深い対話をすることに意味があるから。そして、顔も文化も似ている日本人のなかにも多様があることを知ってほしいから」。遠又さんの挑戦は始まったばかりです。

 

■14;50~
武藤 浩司(KOJI MUTO)/山口不動産株式会社 代表取締役CEO

【profile】
1979年東京都生まれ。東京大学を卒業後、三井住友銀行、監査法人トーマツを経て、山口不動産に入社。2018年より現職。同社所有のba01ビルに星野リゾートOMO5東京大塚を誘致するなど、大塚のまちの体温をあげるプロジェクト「ironowa ba project」を展開。

IMG_9035.JPG

マイナーな街「大塚」を、活気あふれる誇れる街に。

「大塚に来たことがある人はいますか?」という問いかけで始まった武藤さんのプレゼン。会場のおよそ30名のうち、手を挙げたのは5、6人ほど。東京のど真ん中を走る山手線の1駅でありながらもマイナーな大塚に小学5年生~大学4年生まで住んでいた武藤さんは、常に「大塚コンプレックスを抱いていた」といいます。

そんな大塚を変えるべく、武藤さんが取り組んでいるのは「ironowa ba project」。高級リゾートホテルとして知られる星野リゾートを誘致したり、ビアフェスを開催したり、駅前を開発したりとさまざまな施策を打ち出し、今大塚の街はにわかに活気づいています。2018年から2022年の約4年で地価は20%増、20~40代の女性の人口は14.3%増。数字で見てもその変化は大きなものです。

3つの修羅場があったから、ここまで強く生きられた。

これほどの活躍ぶりや華々しい経歴を見る限り、順風満帆な人生を歩んできたのだろうと想像しますが、「そんなことはまったくない」といいます。過去にはうつ病、株をめぐる裁判、大手銀行による融資撤回という3つの大きなピンチがあり、「死ぬかと思った」というほど壮絶な経験をしてきたのです。けれどそれらを乗り越えてきたからこそ、今がある。辛い経験に「感謝さえしている」と武藤さんは話します。

「ハードだけを整えても、街の温度は上がらない」と、目下取り組んでいるのは、街のソフト面の充実。多くの仲間を集めて、もっともっと大塚を魅力的な街にしようと奮闘しています。驚くような進化を遂げている街・大塚から、目が離せません。

 

■24;13~
松田 海(MARIN MATSUDA)/株式会社グラフィックレコーディング CEO

1995年沖縄県出身。「グラフィックレコーディング」の第一人者で、今年、新卒フリーランス5年目で法人化。NHK生放送ほかメディアに多数出演するほか、池上彰さんをはじめ著名人の講演や企業の会議での実践、企業や大学、行政と連携した講座を展開中。

IMG_9062.JPG

議論やコミュニケーションを可視化する「グラレコ」。

「グラフィックレコーディング(通称:グラレコ)」とは、対話や議論の場で話を整理しながらリアルタイムで図や絵、簡潔な文字などに変換し、可視化するファシリテーション技法。松田さんは大学生の頃にその手法を学んで実践し始め、今ではさまざまな講演や会議、メディアなどに引っ張りだこです。

グラレコの利点について松田さんは、次の3つを挙げます。一つは、情報が早く確実に伝わること。人は「話す」よりも「見る」ことで、6.5倍も速く理解ができるそう。二つめは、発散しがちな会議がまとまりやすくなること。議論が俯瞰でき、本質にフォーカスできるといいます。三つめは、認識のすれ違いを減らせること。言葉だけだと生まれてしまうギャップを埋めることができるのです。

「描くこと」を言語にすれば、表現はもっと豊かになる。

故郷の沖縄でシングルマザーの母親に育てられ、貧乏な生活を送っていたという松田さん。また、高校生のときには難病を発症し、「自分は社会の課題の当事者」と話します。その経験から今後目指すのは、グラレコを使って沖縄の企業をサポートすること。そして、グラレコを子どもたちが気持ちを表す手段として伝えること。「話すことと同じように描くことを言語にすれば、より豊かな表現が可能になると思うんです」。

かつて将来に迷ったとき、松田さんを救ったのも頭に浮かんだ考えを描いて可視化し、整理できた経験だったそう。想いをうまく言葉にできなくても、描くことで見えてくるものがある。そんなグラレコの魅力がたくさんの子どもたちに広まることを願います。

 

■34;34~
西舘 聖哉(SEIYA NISHIDATE)/イベントアクセラレーター、株式会社なないろのはな 取締役

富士通グループにて営業やエンジニアを経験後、独立。現在はイベント・配信・コミュニティ・webマーケティングなど、オンライン活動のサポーターとして年間100件を超えるイベントに関わる。多数のチームに所属し、パラレルなキャリアを模索中。

IMG_9125.JPG

オンラインにシフトできたのは、積み重ねのおかげ。

現在、オンライン、リアル問わずにイベントの運営や配信サポートなどで活躍中の西舘さん。実はこのHills Breakfastも、オンラインでの開催になってから西舘さんが配信スタッフとして参加し、毎月皆さんにお届けしています。

以前はリアルイベントをメインに手掛けていたため、オンラインイベントは不慣れだったのだとか。しかし、今では年間100件を超えるオンラインイベントや事業に携わっています。なぜそれが可能だったのか。その理由を西舘さんは「コツコツと積み重ねてきたものがあったから」と話します。希望の部署に入れなかった新卒時代や、一度ではコツを覚えられないからと年に100回も参加したイベントなど、多くの経験が背中を押してくれたといいます。

学校や会社では教わらない「大切なこと」がたくさんある。

北海道出身の西舘さんは、道外に出た経験がないまま社会人に。「世間知らずで、就職=ゴールだと思っていました。なんとなくステレオタイプなキャリアを歩めば正解だろうと」。そんな毎日に手ごたえを得られず過ごしていましたが、「直接ありがとうと言われ、頼りにしてもらえる経験」をして、考え方が変わったのだそう。「自分は勉強が嫌いだと思っていたけれど、やる理由が見つかっていなかっただけ。働くことが嫌いなのではなく、何のためにやるのかが見えていなかっただけ」。

社会に出て、人と向き合い、自分と向き合ったからこそ得られたものがある。学校や会社では教わらない大切なことが私たちのまわりにはたくさんあるのだと、西舘さんの話は気づかせてくれました。

 

■クロストーク 47;02~
各々のプレゼンの後は、4人全員が登壇して話すクロストークの時間。

IMG_9183.JPG

「まわりには話の長い人が多いから、このプレゼンスタイルは慣れればすごくいい効果を発揮しそう(武藤)」「間を自分で選べないので難しかった(遠又)」など、20秒×20枚のプレゼンをしてみての率直な感想が。

また、会場から「人と関わっていて、相手が変化したと感じる経験は?」という質問が挙がり、議論の場で友好的ではなかった人が前のめりになった出来事(松田)、学生が1年ですっかり変わり、環境が人をつくっていくのだと実感した出来事(西舘)など、多くのエピソードが語られました。

気になる中身は、アーカイブをチェック!

クロストーク終了後は、参加者が登壇者に直接質問するなど、間近で触れ合うリアル開催ならではの時間が設けられました。

IMG_9262.JPG
▲参加者が思い思いに登壇者に話しかけ、気になったことを深掘り。左奥が遠又さん、手前が松田さん

ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

◎以前に何度かHills Breakfastには参加したことがありましたが、リアル開催が復活したと聞いて来てみました。教育関連の仕事についているので、遠又さんの話が興味深かったです。また、地域コミュニティやグラレコにも興味があり、ほかの皆さんの話も楽しく聞くことができました。(30代・会社員)

◎思っていたよりもフランクで和気あいあいとしていました。登壇者と参加者が直接話せる距離の近さもいいですね。巣鴨に住んでいたことがあり、以前の大塚を知っているので、あそこに星野リゾートを誘致してしまう武藤さんのエネルギーはすごいと思いました。(40代・作家・男性)

◎普段見るようなセッションやトークイベントと違って、明るい雰囲気でわかりやすいプレゼンが展開されていたので聞きやすかったです。以前からグラレコに興味があり、松田さんが普段どのように実践しているのか気になって、話しかけて直接聞いてみました。(20代・学生・女性)

◎カフェでの開催は雰囲気がよく、リラックスして話が聞けました。西舘さんがクロストークで話していた、「お金の仕組みを学べる場があるといい」という話に共感。親が自営業で会社員とは稼ぎ方が違うことを理解していますが、起業のハードルは高いと感じているので、学べる場は必要だなと。(20代・学生)

次回の開催は、7月20日(水)。リアルとオンラインのハイブリッドでお届けします。現地参加は定員30名で事前申し込み制。登壇者や申し込み詳細については、こちらをご覧ください。

https://www.hillsform.com/event_application_form/d0c7521cc311125168

 

Tags

タグ

Categories

登壇者カテゴリ

Archive

アーカイブ

Recent Posts

最近の記事