2/16 (水)Hills Breakfast vol.120の開催レポートが到着しました。
登壇者4名のプレゼンテーションをギュッとまとめてお届けします!4人4様の濃いお話を、ぜひ動画でお楽しみください。
4;50~
清水イアン(IAN SHIMIZU)/環境活動家、weMORI 代表
【Profile】
2020年に森林保護と再生を主活動とする国際環境NPO「weMORI」を設立。環境の先端情報が集まるWEBコミュニティ「Green Daigaku」運営。本質的なサステナビリティを社会に根付かせる事を目指し、さまざまな団体とコラボレーションも実現。
生きるための活動はすべて、環境と密接につながっている。
子どもの頃から自然が大好きだった清水さん。学生時代、猛烈な速さで美しい海や森が破壊されていっていることを知り、衝撃を受けたのだとか。そして「呼吸をすることも、電車に乗って学校に行くことも、生活の何もかもが二酸化炭素を排出する行為だと気付いた」と話します。
気候変動と生物が日々絶滅をしている現状を変えたいと、仲間とともに「weMORI」を創業。私たちが普段何気なく立ち寄るコンビニに並ぶ商品も、実は多くが森林伐採を推し進める一因となっていることから、それを解決すべく、寄付や森林伐採を減らすサプライチェーン構築などの活動を行っています。
新たなマーケットを開拓し、森林保護・再生を推し進める。
「私たちには、地球という星しかありません。今自分の目の前にあるものが届く前の世界と、使った後の世界を考えると価値観が変わります」。清水さんの活動は、当たり前だけれど普段は意識しないことを、あらためて思い起こさせてくれます。
今、清水さんが力を入れているのは、話題の「NFT」を活用した森林保護再生のプロジェクト。デジタルアート作品を販売し、その利益でガーナの削られてしまった森を再生する取り組みです。「これは、私たちの活動と非常に親和性が高いマーケット」とのこと。今後の動きに注目を。
15;55~
関口哲平(TEPPEI SEKIGUCHI)/BionicM株式会社 取締役COO
【Profile】
2012年よりP&Gジャパン/シンガポールにて、日用消費財の新製品量産化プロマネやAPACのサプライチェーン中長期戦略策定などに従事。2019年、ロボット義足を開発する東大発ベンチャーBionicMの事業化に参画。現在は同社の取締役COO。
人生にとって、本当に大切なことは何だろう?
Life is short. Do stuff that matters. 「人生は短い。人生において大切なことをしていこう」。冒頭にこんな言葉を投げかけた関口さん。経済学を学ぶ文系の学生だったのですが、農学へ転向。消費財を扱う日用品メーカーから、ロボット技術を利用した義足を開発するベンチャーへ転職。自身が「大切なこと」に出合うまでには、関口さんには多くの道のりがあったといいます。
その裏に必ずあったのは、「自分にとって、本当にやりたいこと、大切なこととは?」という問い。それを指針にして、選択を積み重ねてきました。
「21世紀なのに」。当たり前を疑うと、課題が見えてくる。
歯は手で磨く、雨の日傘を差す、アフリカでは毎日子どもが水汲みをしている……。私たちが当たり前だと思っているさまざまな事実に、ある枕詞をつけてみると「気付かなかった課題が見えてくる」と関口さん。それは「21世紀なのに」という言葉です。
「21世紀に、これをしているのはおかしいのでは?そう考えると、もっと便利でもっと進化した商品やサービスの発送が生まれてくる」と関口さんは話します。現在手がけているロボット技術を使った義足の開発も、そんな視点から生まれたものなのだとか。考え方次第で、私たちは日常をもっと豊かに変えていけそうです。
【ブレイクタイム】26;33~
六本木ヒルズ 66プラザから「Pokémon of Future Past/ポケモン:未来の過去」の作品をご紹介。これは、現代アーティストのダニエル・アーシャムとポケモンがコラボレーションした展覧会の一環で、パブリックアートとして展示されているもの。
「3020年に発掘されたポケモン」をテーマに作られた、ピカチュウ、プリン、ヒトカゲ、カラカラ、ミュウツー、そしてトレーナー&ピカチュウの6つのブロンズ像を見ることができます。
展示は2月26日まで。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
https://arsham-pokemon.nanzuka.com/
34;45~
レクァン フィジュン(LEQUANG HUYDUNG)/リフリード株式会社 取締役COO
【Profile】
1986年ベトナム生まれ。早稲田大学商学部卒業後、アメリカへ留学。商社や人材ベンチャーで営業、サイバーエージェントグループのゲーム部門での人事を経験した後、2019年に独立。レンタル事業の経営、およびフリーランスとして数社の人事顧問を歴任。
宗教や価値観を超え、人は「ヒーロー」を求めている。
アメリカのシアトルへ留学した際、シアトルマリナーズで活躍するイチロー選手を、肌の色の異なるさまざまな人種の人たちが話題にし、応援していたことに驚いたというレクァンさん。「誰かを応援する気持ちに、宗教や価値観、バックボーンは関係ない」と思ったそうです。
これは「社会的アイデンティティ」と呼ばれるもので、自分が好きな選手に自己投影をし、選手をまるで自分のことのように感じる自己認識の形なのだとか。「自分を投影できるヒーローをみんな探しているんです」とレクァンさんは話します。
ベトナム人として、外国人起業家界の「大谷翔平」を目指す
ベトナムに生まれ、小学校から日本で暮らすレクァンさん。日本在住歴はすでに30年ほどですが、帰化をするつもりはないといいます。それは、「ベトナム人として日本で起業し、成功して同じようなバックボーンの人たちに勇気を与えたいから」。目指しているのは、アメリカの大リーグで活躍する大谷翔平選手のような存在です。
ちなみに、今度行なわれるサッカーW杯の予選は、ベトナムvs日本。レクァンさんは日本チーム贔屓で、日本を応援するそう。誰かを応援する気持ちはナショナル・アイデンティティを超える。それを体現していますね。
45;25~
福井 学(MANABU FUKUI)/株式会社ネクステージ 代表取締役
【Profile】
高校卒業後、家電量販店に就職し24歳で独立。パソコン販売や修理等の事業を展開する中、2009年に不況の煽りを受け廃業の危機に陥るも、舞台芸術との出合いによって再起。ITを活用した舞台芸術支援事業を目的とし、2014年に株式会社ネクステージを創業。
廃業前日に見た「演劇」が、運命を大きく変えた
パソコン修理や販売を手がける会社を起こし、順調に事業を展開していたものの、リーマンショックで廃業寸前まで追い込まれてしまった福井さん。「明日、廃業しよう」と決めて足を運んだ演劇の舞台を見て、そこから得た感動が運命を変えたのだといいます。
「もっとたくさんの人に演劇の世界を知ってほしい」「もっとたくさんの演劇を見たい」。そんな想いに駆られ、立ち上げたのは、演劇をオンライン配信するサブスクサービスです。「友人たちに聞いてみると、子連れでは劇場に行きづらい、車椅子だと介助者なしでは観劇できないという声が。これは世の中の課題だと思ったんです」。
作品の作り手にも、明るい未来が訪れる世界にしたい
コロナ前、1年間に行われた公演は6万5000件。1日に180もの公演が行われていたのだとか。演劇と言えば宝塚や劇団四季などが有名ですが、それ以外に小劇場演劇が数多く存在しているのです。福井さんの事業がカバーしているのは、主に300席未満の団体の公演。そこには、「表現したい作品を創作し、正当な対価が得られる世界観を実現したい」という想いがあります。
演劇の素人である福井さんの事業に、当初、参画を表明してくれたのはたったの2劇団。しかしながら、現在は多くの劇団、俳優さんたちの賛同を得ています。「当たり前のように演劇が日常に溶け込んで、人々を勇気づける社会」。それが福井さんの掲げる目標です。
【クロストーク】55;20~
オーディエンスからのこんな質問に、4人それぞれが回答しました。
「何かをやりたいという気持ちがあっても挑戦しづらい。生活が成り立つのかと考えると踏み出せない。みなさんはなぜ一歩を踏み出せたのですか?」
これに対して、「踏み出す一歩が決して大きくなくていい。まずは隣の人と話してみるとか、同じことに関心がある人とコミュニティを作るとか。スモールステップから始めればいい」と清水さん。
気になる他の登壇者の回答は、ぜひ動画でチェックしてみて!