4月の開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

142回目のHills Breakfastは、4月4日(木)に六本木ヒルズ内のヒルズカフェにて開催。朝ごはんとして販売されたクロワッサンのいい匂いが漂う中、半数ほどが初参加の参加者たちが登壇者のプレゼンに耳を傾けました。

登壇者は、発するエネルギーが強めの4人。パワーあふれるトークで会場を盛り上げていました。参加できなかった!という人は、ぜひアーカイブ動画をチェックしてくださいね。

■中川 雅里名(MARINA NAKAGAWA)/エシカリージャパン合同会社 代表

0IMG_4565
【profile】
栃木県生まれ。南アフリカ留学・インド生活を経て「世界と⽇本をエシカルでつなぐ」をミッションとするエシカリージャパン合同会社を2023年4⽉設⽴。製品の企画から輸⼊・製造・小売、教育業を展開。『あなたのおかげで僕があるーインドの元ストリートチルドレンの半生』翻訳者。

世界第3位のココナッツ大国で知った、環境汚染

昨年起業し、「never leather」というインドのココナッツウォーターを原料にした植物由来の革製品ブランドを展開している中川さん。コロナ禍の真っ只中にご主人の転勤でインドへ移り住み、いつもココナッツの木が生い茂るジャングルを目にしていたのだそう。インドは「ランド オブ ココナッツ」と呼ばれるほど、ココナッツの栽培が盛んな国。栽培量は世界第3位を誇り、輸出は少ないものの、国民の消費量は非常に多いといいます。

一方で大量廃棄が問題になっており、土壌に水が流れて水質汚染につながるなど環境を脅かしていたのです。また、動物の皮を用いたレザーは、素手でと殺をするなど作り手にとって危険な環境下で製造されており、さらにはプラスチックの廃棄も問題視されていました。

作り手にも買い手にもやさしい、土に還る革づくり

自然と人にやさしいものづくりの必要性を感じて着手したのが、ココナッツウォーターを発酵させ、バナナの茎の繊維や天然樹脂と混ぜて作り上げる100%植物由来の革づくり。これはもともと、現地でスタートアップを営む女性が研究していたもので、それを「日本でも広めたい」と帰国後に起業したのです。染色にも草花を用いており、やさしい色合いで、土に還るのが特徴。高温多湿なインドなら3カ月ほどで朽ち果てるといいます。

エシカルな製品を手に取るのは多くが女性ですが、「社会的なインパクトを出すには、男性にも支持してもらいたい」と、名刺入れやキーケースなどユニセックスなアイテムを届けています。気になる人は、ぜひnever leatherで検索を。

■岩﨑 謙汰(IWASAKI KENTA)/XRエンジニア / コミュニティマネージャー

0IMG_4622
【profile】
XR好き9年目なエンジニア。代表作 MR謎解き #TumbleTargeT HoloLens1367名体験。株式会社サイバーエージェント XR研究所 所長 / Microsoft MVP 2021~ / XR好き学生支援コミュニティ Iwaken Lab.を主宰

XR技術で社会にインパクトを与えられる人を、全力支援

普段はサイバーエージェントでエンジニアとして働いている岩﨑さん。でも、今回は2021年から夢中になって取り組んでいる趣味活動について熱く語ってくれました。その活動とは、「Iwaken Lab.」という、現実世界とデジタルな仮想世界を融合させる革新的な「XR」技術が好きな学生を支援するコミュニティの運営です。

岩﨑さんは自称・活躍研究家。「人をいかに活躍させることができるか」に興味があり、高校時代は野球部のマネージャーを務め、選手1人1人の能力を生かすことに力を注いでいたのだそう。指導した私塾から2名の内閣総理大臣を輩出した吉田松陰にも憧れを抱き、若き才能を開花させるべく、「Iwaken Lab.」を立ち上げたのです。掲げたミッションは「好きな技術で社会インパクトを与える」。

1人1人異なる興味や才能と、丁寧に向き合って伸ばす

「Iwaken Lab.」はオンラインコミュニティなので、全国からメンバーが参加しています。「XRに興味があるけれど、同じような人が身近にいない」といった学生たちが集まっているのです。その数は現在、42名。岩﨑さんはその全員と個別面談をし、それぞれの強みを見出し、志を問いかけたといいます。志の大切さを説いた吉田松陰スタイルです。

メンバーの中にはハッカソンで賞を獲ったり、技術を生かしてテレビに出たりと活躍している学生もいるのだそう。「技術でブレイクスルーを起こす人が増えてほしい」と岩﨑さん。人をサポートし、羽ばたかせることに労力を惜しまない根っからのマネージャー気質で、これからきっと多くの才能を開花させることでしょう。

■片平 優(YU KATAHIRA)/ブランドプロデューサー

0IMG_4645
【profile】
ブランドプロデュース会社Baby Tokyo代表。広告制作のプロデューサーをしていたら、自身の出産を機に企業や商品が赤ちゃんに見えはじめ、7年前に起業。あらゆる企業や人に独自性が眠っていると証明するべく、活動中。依頼があった企業におもむき、顧客インタビュー、社員研修等を行う。

第三者にしかわからない、自社や自分の独自性とは?

プレゼンの冒頭、「独自性の可能性を案じる人はいますか?」と参加者に問いかけた片平さん。チラホラと手が挙がったものの、そこまで数は多くありません。片平さんは、企業や個人が持つ独自性を「ブランドの種」と捉え、それを育ててビジネスに生かすことに特化した会社を経営しています。企業でも個人でも「独自性は絶対にあるので、見つけましょう、解き放ちましょう」と話します。

独自性とは、特定の相手や特定の場所でそのままで価値になる、企業や個人の特性や魅力のこと。自社や自分の独自性は、なかなか自分ではわからないもの。背中にある「いい感じのほくろ」のように、第三者にしか見つけられないのだといいます。

万人にウケなくても、必要な人に刺さればそれでOK

「そもそも万人ウケというものは存在しない。万人にウケるのことは目指さず、ニッチな分野で特定の人に愛されることを目指せばいい」と片平さんは主張します。例えば、三重の運送会社では、社長がチャーミングなキャラクターなので、それを生かして社長の動画を配信したところ、社員数が増えたそうです。入社理由は「社長が怒らなさそうだから」。運送業界においては、怒らなさそうな社長がウケるということ。

「それを欲する人に出会った時、可能性は解き放たれる」。それが独自性です。最後にまた、「独自性の可能性を案じる人はいますか?」と尋ねると、ほとんどの参加者が挙手。プレゼンを聞いた1人1人が自分の独自性について思いを馳せる時間になりました。

■小向 洋誌(KOMUKAI HIROSHI)/株式会社komupace 社員(社長は妻)、LINEヤフー株式会社 HR

0IMG_4773
【profile】
東京の会社で働きながら数年前に茅ヶ崎から地元仙台に居を移し、東京と仙台を行ったり来たりする毎日。家の裏にあった100年の古民家を購入し「OFFICE canvas」としてリノベーション。キーワードは2拠点生活、拡張家族、北欧、古い物、トキワ荘、人生フルーツ、組織開発。

古民家を買い取って改装する、大人の本気の悪ふざけ

コロナ禍に地元である仙台と東京での2拠点生活を始めた小向さん。職場は東京ですが、地元の家の裏にある古民家を買い取り、友人たちの力を借りて自らリノベーション。貸し住宅兼シェアオフィスに生まれ変わらせたのです。その古民家は20年間、人が住んでおらずお化け屋敷状態。でも小高いところに位置していて街を見渡せるし、神社の参道にもつながっていて、地域の中心的な建物だったといいます。「これを生かそうと思った」と小向さん。

「都会と田舎といった二項対立が好きではない」という小向さんは、「働く人、子ども、お年寄りがそれぞれ分離されているのが嫌だった」と話します。「本気の悪ふざけをしよう」と決め、古民家改装に乗り出したのです。

憩いの場を作り上げた後、芽生えた村づくり構想

壊した土壁と畳のわらを混ぜて発酵させ、壁にまた塗り直してアップサイクル。デンマークのビンテージドアや窓を買い付けて、おしゃれな内装に仕上げました。100年の歴史がある家なので、作業中に徴兵に関する資料や仙台の昔の写真などいろいろなものが出てきて、当時の人の暮らしぶりがわかり、建物だけでなくソフトの部分にも興味が沸いたといいます。

完成後、最初に実施したのは、先代の昔の写真の展示会。近所の高齢者を招いて見てもらいました。シェアオフィスではあるものの、イベントや飲み会を開催するなど、憩いの場となっています。「まだまだできることがある。村をつくって、村長になりたい」と小向さん。大人の本気の悪ふざけは、地域に新しい風を吹き込み続けます。

■クロストーク
配信動画では見られない、登壇者4人のクロストークをちょっとだけ公開します。

0IMG_4837

「片平さんが話していた『独自性』は、自分が『強み』と呼んできたものと似ていると思う」と岩﨑さん。それに対して、「岩﨑さんはメンバーの個々の強みを生かしながらコミュニティを運営していますよね。共通点があると思います」と片平さん。

また、「古民家の改装をして、アップサイクルという考え方を理解しました。人の善意だけではカルチャーはできません。付加価値をつけないと買ってもらえないですよね」と、小向さんは自身の経験を背景に、中川さんの革づくりに関心を抱いた様子。

中川さんはそれに応え、「形を変えて違う付加価値をつけることがアップサイクル。押し付けるつもりはなくて、製品自体をかわいいなと思ってくれる人に出会いたい」とブランドへの想いを語りました。

登壇者同士、ジャンルは違えど目指すものや大切にしているものなど似ている部分が多く、共感に溢れたクロストークとなりました。

■参加者コメント
ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

0IMG_4893

◎Hills Breakfastは10年以上も続いているんですね。知らずに初参加しました。小向さんの古民家改装の話が印象的でした。奥さんと協力しながら手掛けたと聞いて、私も見習いたいなと思いました。もっと堅苦しい雰囲気かと思っていましたが、とてもアットホームで気持ちの良いイベントでした。
(40代・フリーランス)

◎片平さんのSNSで開催を知り、初めて足を運びました。登壇者の皆さんは4人とも利益とは違うものを追求している点が似ているなど感じます。熱量のある話が聞けて良かったです。Hills Breakfastは思っていた以上に参加しやすく、有意義な時間になりました。
(30代・ブランドコンサル)

◎地方転勤から東京へ戻ってきて、ここ数回、6~7年ぶりに参加しています。私は小売り系の仕事をしているので、中川さんの話は参考になりました。いつも自分とは違うユニークな視点を持った人たちのおもしろい話を聞くことができ、刺激を受けています。また来ます。
(50代・会社員)

次回は、プチスペシャル会として、5月23日(木)朝8時より六本木ヒルズ 大屋根プラザで開催予定です。その場で簡単に実践できるマインドフルネスのワークショップも企画しています。ぜひお越しください! 詳細はこちらから。

Tags

タグ

Categories

登壇者カテゴリ

Archive

アーカイブ

Recent Posts

最近の記事