5月開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

133回目のHills Breakfastは、5月17日(水)に六本木ヒルズのヒルズカフェにて開催されました。朝食の販売も行われ、コロナ禍前の雰囲気が少しずつ戻ってきたようです。

今回もバラエティに富んだジャンルの登壇者が、個性あふれるプレゼンで来場者に刺激を与えていました。参加できなかった!という人は、各登壇者のページからアーカイブ動画をチェックしてくださいね。

■そん さんひょん(SUNG SANGHYUN)/マッコリ王

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【profile】
韓国人でありながら辛いのが苦手でお酒が飲めないが、マッコリ王を目指す。HillsBreakfastで見た登壇者たちの刺激的な生き方に影響を受け、ゲームプログラマーを辞めて島根県雲南市(うんなん市)に移住。二度寝と夜中に食べるアイスクリームが大好き。

韓国へ「逆留学」し、マッコリを学んだ韓国人

「皆さん、マッコリを知っていますか?」と、会場に呼び掛けて始まった、そんさんのプレゼン。日本酒のどぶろくと見た目が似ていますが、そんさんいわく、違いは「絞るか、絞らないか」。マッコリとは、韓国語で「絞ったばかり」という意味なのだそうです。前日に韓国から帰国したばかりとのことで、日本では手に入らない貴重なマッコリを7種類も会場に持ち込んで、会場に集まった参加者に振る舞ってくれました。

そんさんは、韓国人ながら、コロナ禍で韓国ドラマを見て韓国にハマり、現在は韓国語の先生を目指して大学に通っているのだそう。韓国の文化にも興味を持ち、日本から韓国へ逆留学。マッコリの学校で学んで「マッコリ王」を目指して、普及活動などにも励んでいます。

次々に行動を起こす原動力は、たぐいまれな好奇心

そんさんは10年前、HillsBreakfastのスタッフとしてイベント運営に携わっていました。そこで登壇者の話を聞いて刺激を受け、勤めていた会社を退社。島根県雲南市に移り住みました。そして、ローカルレストランで新米を食べたことをきっかけに、米のおいしさに目覚め、どうにか広めたいと東京で店を間借りし、「出雲甘辛ブルデジ丼」を販売した経験も。

その際に使った、島根産の調味料やお米の味がとても良かったことから、これらをネットで販売する仕事もスタート。マッコリを軸に日本と韓国をつなぎながら、さらには島根の経済の発展、雇用促進、観光コンテンツ開発などにも携わるべく準備中。「飽き性だといわれるが、裏を返せば好奇心旺盛」と、前向きに行動を起こす、そんさんのこれからに注目を。


■たいら 由以子(YUIKO TAIRA)/ローカルフードサイクリング株式会社 代表取締役

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【profile】
安全な食のため、土の改善と暮らしをコンポストでつなぐ「半径2kmでの栄養循環」を目指し、活動。2004年NPO法人循環生活研究所を設立、国内外にコンポストを普及。令和元年ローカルフードサイクリング株式会社設立。生ごみ焼却ゼロプラットフォーム主宰。

誰もが手軽に生ごみを肥料に変えられる世界に

父親が末期がんを患ったことをきっかけに、食の安全に高い関心を持ったというたいらさん。そして、「生まれたばかりの娘のために、持続可能な食の仕組みをつくりたい」と思ったといいます。そんな彼女が取り組み始めたのが、生ゴミを肥料に変えるコンポストの開発です。

60年以上、肥料を作っている母親と共に開発を進め、においが出にくく、虫もつきにくい、軽くておしゃれなバッグ型のコンポストをリリース。ファスナーを開閉するだけで管理できる手軽さから、今、都市部に住む多くの人に広まりつつあります。3年で10万人以上が利用して、2000トンの生ゴミが減ったのだそう。目指しているのは、ベランダで作った肥料をマルシェに持っていくと、農家が作った野菜と交換できる仕組みです。

土の栄養不足を、栄養豊富な生ゴミが変えていく

たいらさんによると、ここ50年で私たちの身近にある「土」は、栄養不足に陥っているのだそう。かつては生物が代謝したものや、生物そのものが土に還ってそれが栄養になっていましたが、環境や暮らしが変わり、人間は代謝物や生ゴミを土に還さなくなりました。栄養不足の土で作られる野菜の栄養も、劇的に減っているとのこと。

生ゴミは90%が水分ですが、残りの10%にはあらゆる栄養がマルチに含まれています。しかしながら、これが年間1兆円もの費用をかけてゴミとして処理されているのが現状です。この課題を解決し得るのが、コンポスト。半径2キロの範囲で、自分で、地域で、農家と連携して、生ゴミを肥料に変える。食の世界を大きく変化させる可能性を、たいらさんは地道に追い続けています。

■出村光世(MITSUYO DEMURA)/Konel・知財図鑑 代表

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【profile】
東京、金沢、ベトナムを拠点に、30を超える職種のクリエイターと活動。「脳波買取センター」「ミカン下北」「#しかたなくない」など、デザイン/研究開発/アートを越境させるプロジェクトを推進。著書に、オープンイノベーション術「妄想と具現 DUAL-CAST」

妄想×テクノロジーで、新しい「何か」が生まれる

冒頭で、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」という、ジュール・ヴェルヌの言葉を紹介した出村さん。まさにこの言葉通り、出村さんはテクノロジーを用いて多くの妄想を形にし続けています。

例えば、「脳波買取センター」。スマートウォッチなどで測定された生体データは、常にクラウド上にたまっていきますが、「これを販売できたらどうなんだろう?」と想像して作ったのが、このシステム。100秒間=1000円で多くの人の脳波を買い取り、その脳波データをもとに独自のプログラムによって絵を生成し、販売するというユニークな仕組みです。これによって、生体データの循環モデルを具現化しました。このように、これまでにない「イメージを創作する」活動が、出村さんの主戦場です。

他者との共創が、実現可能性を広げてくれる

原点は、幼少期。4歳からバイオリンを習っていた出村さんは、譜面以上のことが起きないことにつまらなさを感じ、発明クラブに入りました。ある日、自転車の傘さし運転をしたらひどく怒られ、赤レンジャーのヘルメットのてっぺんに傘を指した「傘メット」を制作。こうした創作への意欲が、今の出村さん活動の根底にあるのです。

「妄想の欲がふくらんだときに、いろんな先進技術に身軽にアクセスできれば、もっと妄想と具現が楽しくなる」と、多くの技術者やアーティストとコラボレーションを重ねています。「1人ではできないことも、共創によって可能になる」。出村さんがこれからまたどんな妄想をし、それをどう形にするのか、目が離せません。

■クロストーク
配信動画では見られない、3人の登壇者のクロストークをちょっとだけ公開します。

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会場から、「妄想力がすごい出村さんに、コンポストとマッコリでアイデアを出してほしい」とのむちゃぶりが。すると、「さっきからずっと微生物のことを考えています。微生物って、目には見えないけれど常に動き続けているのがおもしろいですよね。微生物とバンドをやってみたいなと思って…」と出村さん。

「え?」と驚く会場に、「微生物の動きを検知して、音を奏でるプログラムを作れば、微生物の活動の様子が聴覚的にわかるのでは。そして、いずれはバンドを組みたい」との言葉。

「なるほど…!」と、出村さんの発想に皆、納得の様子です。すると、「マッコリを作るときに、微生物が糖を食べると音が鳴るんです。それを録音したら、バンドができるかも」とそんさん。

Hillsbreakfast発の微生物バンドがデビューするのも、夢ではないかもしれません!

■ゲームコーナー・マッコリ試飲会
クロストークの後は、森美術館の招待券をかけた、前回好評だった全員参加型のゲームを実施。初対面の人同士も、気負わず交流できるゲームで、普段特定の人としか話さないとか、在宅勤務で他者とのコミュニケーションが少ない…という人にもぴったり。

また、さんひょんさんが韓国から持参した生マッコリの試飲会も行い、自然と会話が弾み、活気あふれるエンディングになりました。

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■参加者の声
ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

◎朝から元気をたくさんもらいました。早起きをして良かったです。これから1日、頑張れそうです。そんさんが持ってきてくれたマッコリは、持ち帰りOKだったので、少しいただきました。すごくいい香りで、家で飲むのが楽しみです。
(40代・会社員)

◎コロナ前に足を運んで以来、久しぶりの参加です。朝早く起きるのが大変でしたが、得るものがたくさんありました。クロストークにあった、微生物の音を聞けたらいいという話、出村さんなら本当に実現できてしまいそうだなと。ワクワクする話を聞けました。
(40代・会社役員)

◎以前に登壇者としてプレゼンをしたことがありますが、リスナーとして参加したのは初めてです。熱量がすごくて、圧倒されました。私自身、クリエイティブな仕事をしていますが、アイデアを実現するためには、人を動かすことができるかどうかが重要だとよくわかりました。
(30代・ダンスペインター)


次回は6月14日(水)朝8:00から六本木ヒルズ ヒルズカフェ/スペースにて開催します。

ぜひ会場に足を運んで、生で熱い話を聞いてみてくださいね。

詳細と申し込みはこちらから。

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