11月リアル開催レポートが到着!プレゼン動画公開中!

128回目のHills Breakfastは、六本木 蔦屋書店に場所を変え、コロナ禍以前に行なっていたリアル開催のみのスタイルで実施。あらためて後日、動画を公開する形式で、会場に来た人が優先的に話を聞くことができるレア感のあるひとときとなりました。

現地に行けなかった!という人は、各登壇者のページからプレゼン動画をチェックしてくださいね。

■皆銭文哉(FUMIYA KAISEN)/株式会社スポットライト 代表取締役

【profile】
青山学院大学卒業後、SNSにて映画紹介を始める。開始1年でSNS総フォロワー約25万人を達成し、映画系インフルエンサー日本3位となる。自身が監督を務める映画『スポットライト』を製作中。

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ニートから、一躍人気インフルエンサーへ

映画を紹介するTicTok動画が話題となり、現在25万人のフォロワーを抱えている皆銭さん。日本の映画系のインフルエンサーの中では3番目にフォロワーが多く、NetflixやHuluなど大手配信サイトからPRの依頼が舞い込んだり、SNS運用のコンサルティングの案件を受けたりと、人気インフルエンサーとして活躍しています。

しかし、皆銭さんがこのような立場になったのはつい最近のこと。務めた会社を次々と辞めて25歳にしてニートになり、2021年10月まで食費が1日300円という極貧生活を送っていたというのだから驚きです。あと2週間で家賃を払わないといけない…。そんなタイミングで転機が訪れたといいます。

ニーズを分析して、ブルーオーシャンを開拓

「踊っておけばバズるだろう」と始めたTicTokでしたが、鳴かず飛ばず。それならばと、昔から好きだった映画紹介を始めたところ、一気にフォロワーが増えます。「他の人と同じことをやっても勝てない」と考え、いろいろなジャンルを紹介する中で、レスポンスが良かったホラー系の作品に特化したことが勝因だったと、皆銭さんは話します。

底がつきそうだったお金も、始めて1カ月で貯金ができるようになり、翌月には収入爆増。その翌年には「確変状態」となり、3カ月で生活が激変。夢だった映画監督としてのデビューも決まったのだそう。そんな皆銭さんが会場のリスナーに伝えたのは、「死ぬ気でやれば何でもできる」という力強い言葉でした。

■楊 光耀(KOHYOH YANG)/建築家

【profile】
中国生まれ西新宿育ち。東京大学卒。学生時代は屋台村・音楽フェス会場・家具・大学ラウンジ改修の設計等に関わる。現在は建築設計事務所で働く傍ら、渋谷神南を中心にまちの居場所を再構築する「ShibuyaDownstream」を実践。都心⇔郊外の二拠点生活中。

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たたんで改札を通れるモバイル屋台

上海万博でデザイナーのトーマス・ヘザウィックの作品を見て衝撃を受け、建築に目覚めたという楊さん。東京大学工学部建築学科で学びながら、手掛けたプロジェクトの一つが持ち運びできる屋台の設計。折りたたむと駅の改札も通れるほどコンパクトになるもので、それを持ってさまざまなところでゲリラ的に屋台を開いていたといいます。

その屋台はバージョン4まで改良。同様に、友人に頼まれて野外のヒップホップフェスで使う持ち運び可能なDJブースも制作。それ以外にも、大学のラウンジで机が椅子に、椅子が机にもなるユニークなデザインの家具を手掛けるなど、個性あふれるアイデアで多くのものづくりを行なってきました。

建築×都市の視点で、街を生まれ変わらせる

現在は建築家として活躍しつつ、週の3分の2を都心で、3分の1を郊外で暮らし、それぞれの街に応じた活動をしているのだとか。例えば、都心であれば「渋谷の川を下流からおもしろく」というテーマで、場の運営のノウハウや知見の分析や蓄積を実施。郊外では、自治体の都市計画審議会に参画し、専門家や市民と議論しながら街づくりに携わっているのだそう。

都心と郊外、それぞれの分野で得られた知見をそれぞれに還元できることが強みです。楊さんいわく、「複数の拠点に住むのは、観光客ではなく住民として、今後街をどう変えていくべきかを考えることができるから」。当事者として街と向き合う楊さんが、今後どのようなアイデアで街を変えていくのか、活躍が楽しみです。

 

■渡邉美穂(MIHO WATANABE)/ホーミーコスメティクス株式会社 代表取締役

【profile】
株式会社旭ファクトリー 常務取締役
1987年静岡県生まれ。大学卒業後、紙加工業を営む家業に跡継ぎ娘として入社。新規事業として化粧品製造部門を立ち上げる。2017年には化粧品メーカーとしてホーミーコスメティクス株式会社を設立し、ご当地コスメブランドやインフルエンサーブランドを展開中。

竹田有里(YURI TAKEDA)/環境ジャーナリスト

【profile】
1987年岡山県生まれ。上智大学地球環境学研究科修了。TOKYO MX入社後キャスター・記者として従事。現在、フジテレビ「環境クライシス」の企画制作・出演や講談社withのコラム等の執筆活動の他世界初の「木材ストロー」を発案。

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異業種コラボでコスメを開発中!

Hills Breakfastでは珍しい、2人組でのプレゼンテーションとなった渡邉さんと竹田さん。かたやコスメブランドの社長、かたや環境ジャーナリスト。まったく異なる仕事に就いている2人が挑戦しているのが、サステナブルコスメの開発です。

祖父が創業した紙加工会社を継ぎ、70人の社員とその家族の生活を守ると誓った渡邉さん。しかし、ペーパーレス化が進み紙業界は下降状態。危機感を抱き、新事業を模索してたどり着いたのが化粧品事業でした。地元・静岡の酒造とコラボしてスキンケアメインのブランドを立ち上げ、2019年には直営店舗も構えました。そんな渡邉さんと富士山のふもとで再会したのが、大学の同級生だった竹田さんでした。

資源を活かしたSDGs視点のコスメ

竹田さんは、環境学を学んだ報道記者。日本で行われたG20で当時のトランプ大統領も使った世界初の「木のストロー」の産みの親でもあるのだそう。そんな竹田さんが渡邉さんの暮らす富士山近くの街で感じたのは、地元の人が気づかない素晴らしい資源がたくさんあるということ。

富士山の溶岩を使ったパウダーは抗菌や抗酸化作用があり、石けんやボディスクラブなどに活用できます。会社の敷地内には美しい水があふれる水源も。敷地内にはオーガニックハーブ園をつくる計画もあり、そこでは障害者や高齢者を積極的に雇用する予定です。地元の資源を活かしたサステナブルなコスメの名前は「Liberi(リベリ)」。癒しと解放をテーマにした、新たなブランドのこれからに注目を。

 

■⼤⽯琢⾺(TAKUMA OISHI)/fabula株式会社取締役

【profile】
2021年10月、小学校からの同級生3人でfabula株式会社を創業。100%食品廃棄物で作る新素材を用いた事業を展開。コンクリートの4倍の曲げ強度を持つだけでなく、原材料の色や香りが楽しめ、食器や建材として利用可能。

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コンクリートに代わる素材を開発

当初登壇予定だった代表取締役の町田さんが急遽来られなくなり、5時間前に代理登壇が決まったという大石さん。「よく似ているねと言われるので、僕でも大丈夫」と、ピンチヒッターながら落ち着いた様子で話し始めました。小学校の同級生3人で起業したfabula株式会社は、100%食品廃棄物の新素材を作る技術を持ち、その素材をさまざまなプロダクトに生まれ変わらせています。

もともとは、学生時代に所属していたコンクリートの研究室で生まれた技術。コンクリートは製造の際に熱を使うため、CO2排出量が世界の8%にも及んでおり、また原料も枯渇して各国の奪い合いに発展しているのだそう。そんなコンクリートに代わる素材を生み出すべく、同じく環境問題となっている食品廃棄物を活用して開発されたのが、この新素材です。

作り方はいたってシンプル。コーヒーかす、柑橘類の皮、規格外で売れない白菜など、⾷品廃棄物を乾燥させ、粉末状にし、その粉末を⾦型に⼊れて熱圧縮します。⼯程は⾮常にシンプルですが、素材の乾燥⽅法や粉末の粒度、成型時の温度によって、⾊やテクスチャー、⾹りなどを変えることができるのだそう。

食べ物からできたものがコンクリートの代わりになるの?と思いきや、どの食材でつくられたものもコンクリートより強度があるというから驚きです。白菜にいたっては、約4倍の強度とのこと。万が一壊れても、乾燥させて粉砕すれば再生可能。捨てても土に還るのでとことんエコな素材です。座面がコーヒーで脚が白菜のイス、ごぼうで作ったタイルなどさまざまなプロダクトが生まれていますが、「みんなが夢見るお菓子の家も実現できるかもしれません」。夢いっぱいの新素材から、目が離せません。

 

■クロストーク

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配信動画では見られない、5人の登壇者のクロストークをちょっとだけ公開します。

「食品廃棄物の新素材で、化粧品の容器を作れたりしますか?」との竹田さんの問いかけに、「なんでもやります!」と大石さん。

また、「今後ブランドのファンを増やしたいので、劇的にフォロワーを増やした皆銭さんのノウハウが知りたい」と渡邉さんが尋ねると、楊さんからも「バズらせることを意識しているけれど、難しい。バズるかなと思ってもバズらないし、思いもよらないものがバズったりする」との話が。

それに対して皆銭さんが、自身が実践した「見せ方とポジション取り」のコツをレクチャー。登壇者同士、ジャンルは違えど共通するテーマや考え方などが多く、和気あいあいと話に花が咲きました。

 

■中山一朗さんがMCを卒業

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長くHills BreakfastでMCを務め、vol.37では登壇者としてプレゼンの経験もある中山一朗さんが、今回を最後に、MCを卒業することになりました。

イベントの終わりにサプライズで、共に長きにわたりMCを務めてきた皆川久美香さんから送別の言葉が贈られ、スタッフからのプレゼントも贈呈。

「ちょっと泣きそうです」と感無量の様子だった中山さん。

そんな中山さんから開催レポートをご覧の皆様へメッセージを頂戴しました。

≪MCイチローです。Hills Breakfastは始まった当初から観客として参加してまして、登壇者と観客の熱量とテンポの良いプレゼンにいつも刺激をいただきました。そのうちMCを依頼されるようになり、自身も登壇させていただき(vol.37)、ますますHills Breakfastにのめり込むことに。朝からテンション上げるため、ディズニーキャスト風のMCを貫きましたが、一部の舞浜ファンにしか刺さらなかったかもしれません。ごめんなさい。
来年からは熊本でPechaKuchaを広めたいと思いますが、すぐに東京に戻ってきても、どうか呆れないでください。これからもHills Breakfastには注目しております。
それではみなさん、冒険とイマジネーションの海へ行ってらっしゃい!行ってきます!≫

今後は熊本の実家に戻り、妹夫婦が始めたカフェを手伝いながら新しい暮らしをスタートさせるとのこと。新天地での活躍と、またHills Breakfastに遊びに来てくださることを祈っています。

 

■参加者コメント
クロストーク終了後は、参加者が登壇者に直接質問するなど、間近で触れ合うリアル開催ならではの時間。

ここでいくつか、参加者の感想をご紹介します。

◎六本木で働いていて、以前から気になっていましたが今回初参加です。職業柄、SDGsに関することには疎いので皆さんの話を聞いてとても勉強になりました。自分でもできることは何だろうと考えるきっかけにもなりました。
(40代・会社員)

◎何年かぶりの参加です。映画が好きなので、皆銭さんのお話が興味深かったですね。月に1回、普段は触れられない世界の話を聞いて、いつもと違う脳を使って視野が広がるイベントだと思います。
(40代・個人事業主)

◎仕事が建築関係なので、楊さんと大石さんのお話が印象に残っています。大石さんとは名刺交換もさせていただきました。このつながりから、何かに発展したらうれしいですね。
(20代・会社員)

◎数えきれないほど参加しています。今日は、MCの中山一朗さんのラスト登板を見に来ました。登壇者の皆さんに共通しているのは、自分自身がわくわくすることを軸にアクションを起こしているところ。とても刺激になりました。
(50代・会社員)

12月のHills Breakfastはお休みで、次回は新年1月19日(木)に開催します。場所は今回同様、六本木 蔦屋書店です。オンラインとは違った、リアルならではの熱量を感じにぜひ足を運んでください!

詳細と申し込みは、こちらから。

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